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【事例4選】地方文化×AI~地方文化の魅力を広げるAI技術の活用~

みなさんこんにちは、コラム担当のあらぽんです。

近年、AI技術を用いた地方文化の活性化が注目されています。地方の伝統的な文化を後世に伝えることは地域のアイデンティティにつながり、小規模な地域でもAI技術を活用することで、より魅力的かつ持続可能な文化が生まれることもあります。本記事では、地方文化を活性化させるAI技術とその可能性について考えていきます。

地方文化について


地方には多種多様な文化がありますが、ここではアートやフード文化の特徴について詳しく説明していきます。

【アート文化の特徴】
地方のアート文化には、その土地ならではの独自性があります。例えば、地元の素材を使った彫刻作品や伝統工芸品、地元の歴史や文化をテーマにした絵画などが挙げられます。また、地方のアーティストは都市部のアーティストと比べて、個性豊かで独創的な作品を制作することが多いと言われており、その独自性の高い作品が地元の方や観光客から愛されています。

地方でアート作品が展示されている場所は多く、一般市民が自然と作品に触れる機会が増えます。また、アート作品を展示する美術館やギャラリーなどは、都市部よりも手軽に立ち上げられる傾向があります。そのため、各アーティストならではの作品展が開催されていることも特徴と言えます。

【フード文化の特徴】
地方のフード文化には、その土地ならではの食材や調理法などがあることが一つの特徴と言えます。
例えば、和歌山県で人気の「南蛮漬け」や、北海道で根強い人気のある「ジンギスカン」などは、地方ならではの味わいが特徴的です。

また、地方にはそれぞれ独自のお祭りや行事があり、地元民が好むフードを提供することが多いため、地元フードがお祭りやイベントの代名詞となることも多いです。そのため、地域の特産品や料理が観光資源としても活用され、地元フード巡りが人気の観光スポットとして注目されることもあります。

以上が、地方文化の中でもアート文化とフード文化の主な特徴となります。地方の文化をリサーチすることで、その土地の魅力をより深く理解することができるため、ぜひ一度足を運んでみることをおすすめします。

地方のアート文化×AI技術の活用


アートとAIを組み合わせることで、地方にいるアーティストや作品をより幅広く紹介することができ、アートシーンの活性化につなげることができます。以下に、アートとAIを組み合わせた具体的な事例をいくつか紹介します。

1.VR展示を提供するアートギャラリー
地方のアートギャラリーを、遠隔地に住むアートファンに向けて作品を届けることができるVR展示があります。AIが活用される部分としては、VRのナビゲーションを充実させるための自然言語処理など。遠くに住むアートファンが、よりリアルな体験をすることができます。

【事例1】
NTT東日本は、地元住民から「地元の文化芸術を守りたい」「文化芸術を通して地域活性化につなげたい」などの要請を受け、地域の文化芸術のデータを集積・発信することで、地域と地域・日本と世界をつなぐ取り組みを実施した。
この取り組みは、画像のデジタル記録などを行う企業と協力し、山梨県立博物館が所蔵する葛飾北斎の「冨嶽三十六景」などの作品を題材とした体験型美術展「Digital×北斎【序章】」を開催したもの。協力企業が独自で持っている専門的な技術を用いて、北斎の浮世絵作品から20億画素のデジタルデータを作成。4Kデジタル配信絵画や裸眼VR、絵画が動くムービングアートピクチャーなど、さまざまなデジタルアプリケーションを用いて、北斎の作品を体感できます。

【事例2】
2022年春に台北で行なわれていたアート展示会において、現地へ足を運ばずとも家で楽しめるVR展示会が開催されました。国外のイベントもVRを活用することで参加でき、距離は関係なく好きなものを身近に感じることのできる時代となっています。

2.AIアートのシステム導入でアイデアを広げる
AIアートのシステムを導入することで、地方の作家や作品をより広く紹介することができます。
そもそもAIアートとは、AI技術を用いて新しく生み出されるアート作品のことです。この技術は、さまざまなデータから特徴を抽出して組み合わせ、オリジナル作品を作り出します。人間にはないような発想と着眼点を持っているAIを利用して、これまでにはない斬新な作品を生み出すことが特徴です。
このAI技術を活用することで、地方の作家や作品も、アートマーケットに参入していくことが可能になります。

以上、アートとAIを組み合わせた取り組みについて、いくつかの具体的な例をご紹介しました。これらの取り組みによって、地方アートシーンをより活性化させることが可能です。

地方のフード文化×AI技術の活用


地方のフード文化をAI技術で活性化する方法としては、以下のような事例が挙げられます。

1.飲食店のデータ解析による集客戦略の立案
AI技術は、飲食店の顧客データを解析し、利用者属性や来店の頻度などを把握することができます。これにより、地方の飲食店は、より的確な集客戦略を立てることができます。例えば、観光客に向けたその土地でしか味わえないメニューの展開や、四季折々の食材を生かした季節限定メニューの提供など、地方ならではの魅力ある飲食店を宣伝することができます。

2.現地食材のオンライン販売の促進
AI技術を活用したECサイトやマーケットプレイスなどを通じて、地方の特産品を幅広く紹介し、販売することができます。地方の食材を世界的に有名にすることができれば、地域の観光客増加や、現地の農業や漁業の振興につながります。

【事例1】
コロナ禍でお取り寄せがブームとなり、地方の特産品に注目が集まったことでECサイトを活用してユーザー獲得をしている企業が増えています。例えば、鹿児島県奄美市では、地域で採れたフルーツのジュースやジャムなどを詰め合わせた地域の特産品セットと呼ばれる商品が、1週間で100件も注文が入るなど、ECサイトを通じてユーザーとつながる機会を創出しています。ユーザーにとっては全国どこにいても地域の食材を楽しめ、売り手にとっては販路拡大につながるツールとなるため、今後ますます主流になっていくでしょう。

【事例2】
静岡県袋井市では、ECサイト「ふくろいeねっと」を開設したことで、メロンなどの地域産品の販路拡大をすることに成功しました。生産者がメロンを出荷をする際に販売単価が低いことに課題を感じており、単価を上げるべく独自のECサイトを立ち上げました。加えて、農薬の使用状況をユーザーに情報を開示して安心安全であることを提供した結果、1つの取引当たりの売上高が約2.8倍に向上する成果がでています。

また、災害時にはECサイトの基盤を活用することで、避難所からの要求に応じて支援物資を適切に分配する機能としても活躍をしています。

以上のように、AI技術を活用した地方のフード文化の活性化には、多くの可能性があると言えます。AIテクノロジーを上手に活用し、地方の食文化を発展させることが、地方の活性化につながると期待されています。

まとめ


地方文化をAI技術で活性化することで、地域の良さを再発見することができ、地域全体の活性化につながります。これまでの伝統を大切にしつつ、新しいアイデアを提案し、地域に新しい価値を創出することができるのです。AI技術を活用した地域文化の創造に期待が高まります。