ホームAI技術の活用が各地域の活性化につながる【事例5選】

AI技術の活用が各地域の活性化につながる【事例5選】

みなさんこんにちは、コラム担当のあらぽんです。

AI技術を取り入れて地域を活性化することが注目されており、これは各自治体ごとに抱えている課題に対し、解決手段の一つとして可能性を秘めているからだと考えられます。

人口減少や少子高齢化の課題に直面する地方では、AI技術を導入することによって解決策を見出し、地域の人々に住みやすいと思ってもらえるよう活用していく取り組みが進められています。

今回は、AI技術が地方創生につながる各自治体の取り組みを5つ紹介していきます。

AI技術が地方創生にもたらす影響とメリットとは?


近年、AI技術の急速な進化が地方創生に大きな影響をもたらしています。主にデータ解析や自動化などの側面で地方の発展を促進しており、重要な役割を果たしています。

AI技術はデータを迅速に分析し、傾向やパターンを抽出する能力を持っています。地域の経済、人口動態、環境、社会問題などのデータを活用して、政府や自治体は効果的な政策を立案し、リソースの最適配分を行うことができます。過去のデータから未来の傾向を予測することもできるため、自然災害や感染症拡大などのリスクに対して事前に対策をうつことが可能となります。

また、エネルギー消費の最適化や廃棄のリサイクル率の向上など地域資源を有効活用した取り組みや、AI技術を活用して新たなビジネスモデルの創出をすることが地域活性化に影響を与えています。地域の特産品や伝統品をAI技術を通して発信したり、AIを活用した飲食店でのサービス提供や観光体験など、観光業に良い効果を生み出しています。

AI技術を活用した自治体のサービスによって住民の生活は向上し、自動化された業務やAIによる対話型サポートなどにより、行政手続きの簡素化や効率化が実現しています。さらに住民のニーズを把握して、個別に適したサービスを提供することが可能となっています。

多方面での活用によって、地域経済の活性化や持続可能な発展に期待がされ、今後ますます地方創生においてAI技術の活用は重要となることが分かります。

【事例5選】地域のために活躍するAI技術


各自治体はAI技術を活用することで、地域活性化や住民の安心・安全に貢献するとともに、将来にわたって持続的な発展を実現することが可能となっていくでしょう。今回は、各自治体で取り組まれている5つの事例をご紹介していきます。

1.【福島県会津若松市】AI×自動応答サービス


福島県会津若松市の市民から寄せられた声として、「土日や夜間でも行政に問い合わせしたい」というものがありました。市への問い合わせは電話もしくは市役所の窓口まで来ていただく必要がありますが、電話をすることへの抵抗感や、窓口の決められた時間の中で確認ができない場合には、不便であるというのが課題でした。

そこで、「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」を導入し、24時間いつでも気軽に連絡をすることが可能となりました。このLINE de ちゃチャット問い合わせサービスとは、LINEを利用して市民から寄せられた質問に、AI(人工知能)の「マッシュくん」が自動で答えてくれる機能となります。
現在、「休日・夜間診療の病院探し」や「ごみの出し方」、「除雪車の運行状況」や「各種証明書発行手続きの方法」、「新型コロナウイルスの問い合わせ」など、段階的にサービスを追加しています。
このサービスを導入した結果、市民アンケートでは80%以上の高評価を獲得し、市民の生活に欠かせない存在となっています。

2.【愛知県豊橋市】AI×高齢者の自立支援


日本全体の課題ではありますが、愛知県豊橋市も高齢化が進んでいる一つの地域であります。今後も高齢化は進んでいくため、給付費の抑制が必要になっていたり、高齢者の自立支援やケアマネジャーの業務負担の軽減を図ること・人材を確保していくことが求められています。

そこで、ケアマネジャーが必要項目を入力した内容に対し、AIを活用することで介護保険サービスを踏まえたケアプランの修正を行えるなど、利用者の身体状況の改善や介護給付費抑制へつながるケアプランの作成支援となっています。 AIが提案したケアプランが、ケアマネジャーが考えていた内容と同じなら、利用者の家族に説明する際の自信につながり、ケアマネジャーの仕事に良い効果をもたらしていると言われています。
異なった場合でも、見直すべき点やプランの幅が広がることにつながるなど、気づきを与えてくれることにもつながります。

3.【沖縄県那覇市】AI×特定健診受診


国保特定健診受診率を上げるために、お知らせを送り、電話や訪問をして受診を促すよう取り組んでいるものの、ここ数年の受診率は横ばいとなっています。そうしたことから、市町村の取り組みを評価する制度が新設され、その達成度に応じて国から交付金が交付される仕組みができました。

そこで、沖縄県那覇市では従来の取り組みを見直すために、過去の問診結果や受診履歴、通院歴等に該当する対象者データを用いてAIによる統計解析を行って、受診を促す案内を効果的に送ることができるようになりました。

結果として、制度を導入した2018年1月の受診率は前年度の同時期比較で1.9%増加し、健診の予約が例年よりも増え続けている状況です。こうした取り組みが推進されることで、市民が健康になっていき、安心して暮らしていくことにつながっていくでしょう。

4.【福井県永平寺町】観光案内のAIコンシェルジュ


福井県永平寺町では、主要観光施設の大本山永平寺「ZEN(禅)」を通じて外国人観光客が増加しています。ただ、多言語に対応できる人材がいないことや、観光案内所が整備されていないことが課題で、環境整備を行うべく、大本山永平寺の参道入り口付近へ観光案内所を設置。人工知能AI機能を利用した「観光案内多言語AIコンシェルジュ」を導入し、言語は日・英・中・韓等の多言語対応となっており、永平寺町や隣接市の観光案内ができる仕様となっています。

こうしたシステムを導入したことで、外国人観光客のサポートにつながることはもちろん、人手不足の課題に対して常時雇用に比べてランニングコストを抑えることにつながっています。また、アクセス解析、来客者数、来客者性別、管内行動解析等の分析機能があることにより、統計・集計や外部機器との連携をすることにも役立っています。

5.【北海道室蘭市】AI×道路管理


北海道室蘭市が管理する道路延長は約440kmと膨大であり、市の職員だけで全域の路面健全を行うことは難しい状況でした。加えて、道路の老朽化が進む中、限られた予算で維持管理を行っていく必要があるが、職員の目視点検による調査結果にはバラつきがあり、精度の確保に課題を抱えていました。

そこで、室蘭工業大学との共同研究によって安価な車載カメラで撮影した路面画像を用いて、AI技術による「路面ひび割れ率自動検出システム」の開発がされました。ランク別に色分けすることで、補修工事・修繕を行う路線の優先順位がつけることが可能となります。また、職員直営によって、低コストで市内全域の路面健全度の把握ができるようになりました。

直接的に便利になること以外にも、生活に欠かせない場所・利用している場所の安心・安全が守られている事例です。

まとめ


AI技術が地方創生につながっている事例をいくつか紹介しましたが、この他にも多くの地域でAI技術を活用しているかと思います。各地域で求められているニーズに対してAI技術を導入していくことで、地域の活性化と住民の安心・安全を実現することが可能となり、暮らしやすい地域づくりへとつながっていくかと思います。
今後も、地方創生においてAI技術の活用がますます期待されていくでしょう。
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