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ICT教育とは?【事例3選】
最新技術を活用した地域教育分野の取り組み

~技術活用で子どもたちの学びを広げる取り組み~

みなさんこんにちは、コラム担当のあらぽんです。
現代の社会ではAIやICT技術が重要性を増しています。これらの技術の進化は、私たちの暮らしや働き方に大きな影響を与えています。ただ、AIやICT技術は専門的な知識やスキルが必要でとなるため、地域教育の枠組みを活用することで、誰もがAIやICT技術を学び、活用することが可能になります。
本記事では、AI・ICT技術についてや地域教育分野について触れながら、最新技術を活用してICT教育を取り入れている地域事例を3つご紹介します。

AI・ICT技術とは?


AI(人工知能)は、ICT(情報通信技術)の一つであり、人間の知的能力を模倣する技術です。AIは、データ処理、学習、推論などのタスクを自動化することができます。

AI
大量のデータを処理し、パターンを見つける能力を持っています。例えば、画像の認識や音声の変換などは、AIが高い精度で行うことができます。また、AIは機械学習という手法を用いて、経験から学習することができます。

ICT技術
情報の収集、処理、伝送を支援する技術の総称です。コンピュータやネットワーク、センサーなど、様々なテクノロジーが含まれます。ICT技術は情報管理や共有を可能にし、ビジネスや日常生活を効率化することに役立っています。

AIとICT技術は密接に関連しており、AIはICT技術を利用して大量データの処理や学習をしたりし、ICT技術はAIの実装に必要な基盤となります。
自動運転、医療診断、音声アシスタントなど、多くの分野で活用されており、私たちの生活に欠かせない存在となっています。生産性の向上や新たなビジネスモデルの確立にも貢献していると言えます。

地域教育とAI・ICT技術との関わり


地域教育は、地域の文化や価値観を尊重し、地域の成長と発展に貢献するために行われます。学校や大学の教育機関はもちろん、地域の図書館や公民館、さらには企業やNPOなどが参加することもあります。

地域教育の目的は、地域の人々が生涯学習を通じてさまざまなスキルや知識を身につけることです。自分の興味やニーズに合わせ、例えば、語学や芸術、スポーツ、料理、プログラミングなどの幅広い分野から選択することができます。

また、地域全体の発展にも貢献しており、教育機関や地域団体、企業が協力してプログラムを展開することで、地域の経済的な成長や地域住民の満足度の向上につながることがあります。個人と地域の発展を目指す大切な取り組みであると言えるでしょう。

では、AIやICT技術が地域教育とどのように関わっているのかご紹介していきます。

まずは、教育機関が教材やカリキュラムを開発する際に活用されています。例えば、AIを用いた自動採点システムや学習支援システムは、教育現場の負担を軽減し、子どもたちの個別学習の促進に役立てられています。

また、バーチャルリアリティや拡張現実を活用した教材・体験プログラムを用いることで、これまでとは異なる勉強方法が新鮮で、子どもたちの興味や学習への意欲を高めることにつながっているでしょう。
オンライン授業が導入されたことで、遠隔でも授業に参加できたり、チャット機能を活用してコミュニケーションを図る事も可能となり、このような技術の発展は教育現場において非常に大きな影響を与えているのです。

さらにAI技術を活用することで、子どもたちの学習進捗を把握し、適切なサポートを行うことができます。また、AIが推薦する学習内容や学習方法は、個々の特性に合わせたものとなるため、より効果的な学習が可能かつ、質の高い教育を受けられます。

ICT教育とは?


ICT教育は、情報や通信技術を活用して学びを支援する教育形態のことです。ICT教育は、現代社会で必要とされるスキルや知識を習得し、情報化社会に適応する力を育むために重要な存在となっています。デジタル化が進んでいる今、AI技術を活用したICT教材が多く世の中に存在しています。

コンピュータやインターネットなどの技術を活用した授業や学習において、ICTを使って情報を収集し、処理、分析、発信することで、自分で考えて創造的な解決策を見つける能力を身に付けることに役立っています。

また、ICT教育は子どもたちが将来社会で求められるスキルを養成する上でも重要だと言われています。例えば、プログラミングやデータ解析など、ICTに関連するスキルは、今後ますます需要が高まると予想されています。

このように、ICT教育は情報化社会において必要なスキルや知識を身に付けるため、個別の能力を伸ばすために重要な存在です。ICTを活用した学びにより、子どもたちは自主性や創造性を発揮し、将来の社会で活躍するための準備をすることができます。
さらに、AI技術の活用によって、子どもたちそれぞれにあった進路アドバイスができるなど、AIやICTの活用が教育に大きな役割を果たしています。

ICT教育に力をいれている地域【3選】


今回は、福島県、茨城県、熊本県の3県にフォーカスをあてて事例をご紹介します。
(1)福島県新地町
■ICTが創り出す魅力ある教育「町づくりは人づくり、人づくりは教育から」

【課題】
人口減少に伴い、児童の数が減少してしまっていること。

【取り組み】
一人一台以上のタブレット端末がある環境を実現しました。
「先導的教育システム実証事業」の実証地域に採択されたことで、NTTコミュニケーションズが開発したサービス「まなびポケット」を利用開始。実証実験が終了後、すぐに町内で本格導入をしました。
「まなびポケット」とは、デジタル教科書やドリル教材、学校運営ツール機能、メッセージ送信やファイルの共有機能を兼ね備えている、教育コンテンツサービスです。教職員や子どもたちが用途に合わせて活用できる、教育クラウドプラットフォームとなっています。

【結果】
個々の課題に応じた学びや、主体的・協働的な学び、探究志向の学びなど、これからの時代を生き抜く力を育成する、新たな学びを実現することができています。

具体的には、
・ICTを活用した教育が普及したことで、家庭・地域との連携ができるようになった。
・充実した教育によって町全体の学力が向上した。
・教育の充実さを求めて、子どもを持つ親が定住先として新地町を選択=児童数の増加へとつながった。
(2)茨城県つくば市
■21世紀型スキルを育むICT教育でみんなが住みたくなる町

【課題】
人口減少が年々加速。そのため、もっと魅力ある町であることをアピールする必要があり、教育に力をいれることを掲げました。

【取り組み】
・子どもたちに21世紀型スキル(※注1)を育成するべく、地元産官学(※注2)と連携してICT教育を導入すること
・特別支援や貧困対策として、つくば教育クラウド「つくばチャレンジングスタディ」を導入、筑波大・インテルと共同で21世紀型スキルの育成のための新教科「つくばスタイル科」の開発をしました。

ICTの導入状況については、校内無線LAN全教室100%、平成17年より市内小中学校に電子黒板を導入開始をしました。また、市内全小中学校にタブレットを2000台導入したり、教員1人1台の校務用PCを1300台導入するなど、教育の現場の革新を進めていっています。
さらに、教育用グループウェアを導入して各学校の電子掲示板を通して交流したり、指導者用デジタル教科書を小中全教科に導入するなど積極的に取り入れていきました。

【結果】
全国トップクラスの学力を誇れる町となり、人口増加や税収増加実現することができました。
具体的には、
・21世紀型スキルのICT教育の結果、学力が向上。全国学力調査においても結果を残すことができた。
・教育に対して真剣な取り組みを行っていることで、公立学校の教育水準の高さが評判に。そのことで、首都圏から人口が流入したことで人口が増加。市民税収も伸びている。
・多数のメディアから紹介されたことで注目度が一気に加速している。

(※注1)21世紀型スキルとは・・創造性やコミュニケーション能力、情報リテラシーなど働くためのツール活用術のことで、次代を担う人材が身に付けるべきスキルのこと

(※注2)産官学とは・・企業(産)と大学等(学)と政府や地方公共団体等(官)が連携して、新しい技術の研究開発や新しい事業の創出、新しい製品の開発などを行うこと
(3)熊本県高森町
■教育の情報化を基盤とした誇りと夢と元気を生み出す人づくり町づくり

【課題】
町内の教育の質の向上を図ること

【取り組み】
ICT活用を契機に、教職員の教育研究会を主体とした授業改善と学力を育成すること。
また、21世紀型スキルを身につけるために児童へICT活用を推進する中で、大手ソーシャルゲーム会社からSNSの使い方等について講演をしてもらい、情報モラルの向上を図ること。
さらに、コミュニティ・スクールを取り組みの核として、地域に最適化された教育を推進し、町と連動したスピーディーな学校改革の実践を行いました。

そして、平成24年度に全普通教室に電子黒板を整備し、タブレットPCによる子どもの思考の可視化、意見の共有ができるように。また、平成25年度にテレビ会議システムを活用して、町内の学校同士を繋いだ遠隔交流授業も実施。平成26年度には、新たなタブレットPCを追加して、ほぼ1人1台持っている環境が整い、全国でも有数のICT環境を実現しました。

【結果】
取り組み開始から3年目では、熊本県の学力調査、全国学力学習状況調査において、共に明らかな向上が見られました。特に全国学力学習状況調査における中学3年生は、ICT導入以前に実施した小学6年生時と比較すると、大幅な学力向上が見られる結果を残しました。
また、学校と家庭・地域との間の双方向のアクションにより、地域を活性化することにつながり、保護者や町民の負託によって、教育活動が活性化されました。

この取り組みは、国や県の動向をとらえつつ、地域に最適化された教育内容を構築し、「情報通信基盤整備」を町の重点施策として取り組む、高森町の動きと連動性を高めています。さらに、学校現場でマネジメントサイクルを確立し、実働性を重視するとともに継続性を確保しました。

まとめ


AIやICT技術は、未来の社会を支える重要な要素となっています。地域教育の枠組みを通じて、誰もがAIやICT技術を学び、自分の地域の発展に貢献することができるのです。今後も、さらにAIやICTの技術は進化し続けることが予想されますので、今後の発展に期待が膨らみます。
是非、地域教育とAIやICT技術の組み合わせがもたらす可能性を広く知っていただき、地域の未来に向けて共に進んでいきませんか?