ホーム【事例6選】地方創生の取り組み -北陸地方編-

【事例6選】
地方創生の取り組み -北陸地方編-

みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。

北陸地方は人口減少や少子高齢化といった重大な問題を抱えている地域も多く、地方創生事業に力を入れている自治体や企業は非常に多いです。

本記事では、北陸地方で行われている地方創生の取り組みについて詳しく紹介します。

北陸地方で行われている地方創生の取り組み


北陸地方で行われている地方創生の取り組みには以下のようなものがあります

● 石川県:白山手取川ジオパークの取り組み
● 石川県:金沢箔の取り組み
● 福井県:福井県立恐竜博物館の取り組み
● 福井県:結婚・子育て応援社会の取り組み
● 富山県:産業技術研究開発センターの取り組み
● 富山県:まち・ひと・しごと総合戦略

それぞれの取り組みについて、以下で詳しく紹介します。


1.石川県:白山手取川ジオパークの取り組み


日本三名山「白山」や一級河川「手取川」、独自の伝統文化、独自の生活様式などの貴重な自然や文化財が残されている石川県白山市では、地域全体を「白山手取川ジオパーク」として地域創生の重要な役割を担っています。

白山手取川ジオパーク推進協議会(行政、市民、大学、教育・商工・農林水産関係の各種団体で構成)が主体となって地域住民や地元学校と協力し、環境教育や体験プログラムを提供して、子供から大人まで、自然の保護や地域の歴史・文化に触れる機会を提供しています。

さらに、観光客向けのPRツアーや、地元産の農産物や工芸品を通じた地域振興も積極的に展開しており、 持続可能な観光を目指し、自然保護と観光を両立させながら、地域の魅力を国内外に発信する取り組みが進められています。
これにより、ユネスコの正規事業として日本のみならず海外にもアピールできるジオパークを目指しています。


【ジオパークとは?】
ジオパークとは、大地の遺産の保護とその活用を目的とする自然公園で、地球科学的意義のあるサイトや景観が保護、教育、持続可能な開発のすべてを含んだ総合的な考え方によって管理された、1つにまとまったエリアです。
石川県白山市の全域が白山手取川ジオパークとしてユネスコ世界ジオパークに認定されています。


◆出典:日本ジオパークネットワーク


2.石川県:金沢箔の取り組み


石川県金沢市は、金箔の生産で国内外に知られています。
金箔の技術は400年以上の歴史があり、金沢は日本国内での金箔生産のほぼ全量を占めています。

その中でも「箔一」は代表的な金箔製造者として知られており、伝統を守りつつ革新を続け、地域振興に貢献している企業です。
伝統工芸品として金沢箔を地域ブランドとして発展させるとともに、ISO22000(食品安全マネジメントシステムに関する国際規格)を取得し、食材としても金沢箔を全国にアピールしています。

また、金箔を用いた工芸品や装飾品だけにとどまらず、地元スポーツチームのスポンサーになることでスポーツファンへの知名度拡大を図り、金沢箔を使用した化粧品はアジアを中心に世界にシェアを拡大するなど、商品を通じて地域の魅力を国内外に発信し、金沢の文化や産業の知名度を向上させています。

このような取り組みは、金沢市が進める地方創生の一環として、伝統産業と観光の融合を推進し、金沢箔および金沢の発展を目指しています。


◆参考:箔一(はくいち)


3.福井県:福井県立恐竜博物館の取り組み


福井県では、日本一の恐竜化石発掘数を誇る勝山市を観光資源とし、福井県立恐竜博物館で大々的に恐竜の化石をPRしています。

博物館では、恐竜の化石展示だけでなく、実際に化石発掘を体験できるプログラムを提供し、観光客にリアルな恐竜研究の現場を体感させています。
こうした体験型観光は、リピーターを増やし、地域に長期的な経済効果をもたらしています。

結果的に、カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館と並び「世界三大恐竜博物館」として称されることが多く、日本のみならず世界中から来館者を集めているのです。

また、博物館の機能強化として、福井駅から博物館へ向かうバスに恐竜の絵が描かれていたり、電車に恐竜のモニュメントを置いたり、恐竜博物館の学校教育支援、他にも地元の飲食店や宿泊施設とも連携し、観光客の滞在時間を延ばす工夫がなされています。
恐竜をテーマにしたグッズやメニューが提供されるなど、地域全体で「恐竜」というテーマを活かした観光資源の活用が進められています。

来館者数はコロナ前まで増加傾向にあり、平成13年には23万人ほどだった来館者数は平成30年には94万人ほどにまで増加しています。


◆参考:恐竜博物館の学校教育支援


4.福井県:結婚・子育て応援社会の取り組み


総人口数の現象が深刻な問題として挙げられる福井県では、”日本一の「結婚・子育て応援社会」をつくります”を掲げました。主な施策としては、

【県民参加で「縁結び」活動を拡大】
結婚応援ボランティアや結婚相談員が、出会いを求める若者の縁結びを進めるため、 情報交換の場を設けたり、結婚応援企業の独身社員の交流会を開催、セミナー開催など、県全体で縁結び活動を幅広くサポートしています。

このように、結婚を望む男女の出会いの場を作ることで、人口減少に歯止めをかける施策を色々と打ち出しています。
その結果、県の支援事業による婚姻件数が平成27年から令和1年で74件から169件に増加しました。


【子育て世代の経済的支援を強化】
全国に先駆けて第3子以降の保育料等の無料化を進めてきた成果を踏まえ、市町とともに対象の第2子への拡充など多子世帯への支援を強化。
子どもが小さい間は家庭で子育てができるよう育児休業や短時間勤務等の取得を応援する助成制度を拡大したり、
不妊治療費に対する助成をはじめ、子育てマイスターが育児等に関する相談に応えたり、一時預かり等の子育てサービスの対象者や実施施設を増やすなど、妊娠から出産・子育てまで切れ目ない支援を広げています。


その他にも、子育てと仕事の両立をサポートする取り組みもしており、 働きやすい職場環境づくり進める企業を支援したり、育児による離職者の再雇用制度など、女性が働きやすい社内制度を県内企業に広げています。

これらの取り組みの結果、子育て世代の経済的支援を強化することで若者のUIターン者数も増加する成果を出しています。


◆出典:結婚・子育て応援社会の取り組み


5.富山県:産業技術研究開発センターの取り組み


産業技術研究開発センターでは、県内の中小企業をターゲットに新産業の創出を支援、また技術力向上と新製品開発を支援するために最新技術が研究されています。

富山県は伝統的なものづくり産業に加え、医薬品や化学工業などの高度技術産業が盛んであり、センターではこれらの産業に対応する高度な研究開発をサポートしています。
県内の事業者の技術力アップや成長促進はもちろん、地元企業との連携を通じて地域経済の活性化や、雇用の創出を行うことで県内を活性化させています。

富山県では、産業技術研究開発センターの他にも薬事総合研究開発センターや総合デザインセンターを産業支援機関の中心として地域の発展にも貢献しているのです。


◆参考:産業技術研究開発センター


6.富山県:まち・ひと・しごと総合戦略


富山県では、少子高齢化や人口減少といった深刻な地域課題に対処するため、デジタル技術を活用した産業の振興と地域創生に向けた取り組みを積極的に進めています。

その中核となるのが、「まち・ひと・しごと総合戦略」です。この戦略は、地域の魅力を高め、住民が豊かに暮らせる環境を整備することで、人口流出を防ぎ、地域に新しい活力を生み出すことを目指しています。

特に産業にデジタル技術を導入する取り組みが重要視されています。
具体的には、富山県の特産物である「えごま」の6次産業化や、無人トラクターや除草ロボットなどのスマート農業導入実証、市の保有する情報資産をオープンデータ化するなど、さまざまなデジタル技術が導入されています。 これにより、企業の競争力が強化され、新たな雇用創出が期待されています。

また、若者やUターン就職を目指す人々に魅力的な仕事を提供し、地域の定住促進を図っています。


◆参考資料:まち・ひと・しごと総合戦略


副業や兼業で仕事をお探しなら「Otanomi」へ


Otanomiは、「副業・兼業から始める地方創生」をテーマに、地方自治体や企業の課題解決に対する取り組みにチャレンジできるサイトです。
Otanomi

Otanomiではよくある求人票ではなく課題を掲載しているため、困りごとがダイレクトに分かるという特徴があります。
課題を見て自分にできそうだな、とお考えであれば応募をし、実際に自治体や企業の担当者と話をして、条件が一致すれば実際に仕事がスタートします。

応募をしてもいきなり採用されるわけではなく、しっかり話しを聞いたうえで判断ができるためお互いに安心できる環境が整っています。

フリーランス・副業・兼業などで地域と繋がってみたい際は、ぜひOtanomiをご利用ください。 副業からはじめたい場合も歓迎です。


まとめ


本記事では、北陸地方で行われている地方創生の取り組みについて詳しく紹介しました。

北陸地方の中でも福井県は自治体を中心に地方創生事業にかなり力を入れているため、参考になる部分も非常に多くあるのではないでしょうか。
また、近年では地方創生の重要な施策のひとつとして農業の6次産業化を進めている自治体も多いため、要チェックです。

ぜひ本記事を参考にして、北陸地方の地域創生の取り組みをチェックしてみてください。