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【地方×起業】
事業を興すことのメリット・デメリット

みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。
「起業をしたいけど、どこで始めればいいかわからない」「都市部だと競争率が高くて難しい」など、事業を興すに当たって様々なお悩みがありますよね。

実際、倒産率の全国平均を見てみると、

1位 大阪府(0.402%)
2位 東京都(0.369%)
3位 兵庫県(0.294%)
4位 京都府(0.270%)
5位 奈良県(0.296%)

と三大都市圏とその周辺の倒産率が高いことがわかります。
逆に、最も倒産率が低いのは

1位 長崎県(0.075%)
2位 福島県(0.075%)
3位 宮崎県(0.083%)

と地方の倒産率が低いことがわかります。


地方で起業することは、都会で起業する場合とは異なるメリットがあります。
このメリットを理解することで、具体的に地方で起業するイメージをつかめることでしょう。

そこで今回は、地方で起業を興すことに興味がある人に向けて、メリットとデメリット、具体的な成功例についてご紹介します。

地方で起業するメリット5選


①地域資源を活用できる
地方で起業する際の大きなメリットの一つは、地域資源を活用できる点です。
地域資源とは、地元の特産品や自然環境、文化、歴史、技術など、地域特有の資産を指します。例えば、農業が盛んな地域では、新鮮な農産物を使った加工品や飲食店を展開することが可能です。

また、観光資源が豊富な地域では、地域の歴史や文化を活かした観光業や体験型ビジネスを展開できます。これにより、他地域との差別化が図れ、顧客に独自の価値を提供できるのです。

地域に根ざした事業は、地元の人々とのつながりを深め、地域経済の活性化にも寄与するため、持続可能なビジネスモデルを構築しやすくなります。地域資源を上手に活用することで、競争優位を築くことができます。


②地域の支援を得やすい
地方で起業する際のメリットの二つ目は、地域の支援を得やすい点です。多くの地方自治体では、地域振興を目的とした様々な支援制度が整備されています。

たとえば、起業に必要な資金を提供する助成金や融資制度、ビジネスプランの作成をサポートする相談窓口、さらには地域のネットワークを活用したマッチングイベントなどがあります。これらの支援を受けることで、事業の立ち上げや運営がスムーズになります。

また、地域の商工会やNPO法人、大学なども支援を行っており、これらの組織と連携することで、専門的なアドバイスや人材の確保も期待できます。地域社会との結びつきが強いことで、応援してくれる人々や先輩起業家とのネットワークが築きやすく、困難な局面でも助け合える環境が整っています。

このように、地域の支援を受けやすいことは、地方での起業を成功に導く大きな要素となります。


③競争が少ない
都市部に比べて、同じ業種の事業者が少ないため、ニッチな市場をターゲットにしやすくなります。これは、特に特産品や地域の文化を活かしたビジネスにおいて顕著です。
競合が少ないため、顧客に独自の価値を提供しやすく、差別化が図れます。

また、価格競争が緩やかになるため、利益を確保しやすくなるのも利点です。さらに、地域のコミュニティと密接に連携することで、リピーターや口コミを通じて安定した顧客基盤を築くことが可能です。

これにより、長期的に安定した経営が実現しやすくなります。地方ならではのユニークなビジネスモデルを展開することで、地域の活性化にも貢献できるため、起業家にとって魅力的な環境が整っています。

このように、競争が少ないことは地方での起業における重要なメリットとなります。


④コミュニティと深い関わり
地方で起業する際の大きなメリットに、コミュニティと深い関わりを持てることがあげられます。地域に根ざしたビジネスは、地元の人々とのつながりが強く、顧客との信頼関係を築きやすくなります。
このような関係性は、顧客の声を直接聞くことができるため、ニーズに応じたサービスや商品の改善がしやすいという利点があります。
また、地域のイベントや活動に積極的に参加することで、さらなる顧客との接点を増やすことが可能です。

コミュニティとの関わりを深めることで、地域の人々からの支援や応援を受けやすくなり、ビジネスの成長につながります。さらに、地域内での口コミや紹介を通じて新たな顧客を獲得しやすく、長期的な顧客関係を築くことができます。
このように、地方での起業は単なるビジネスを超え、地域社会に貢献しながら共に成長する機会を提供してくれます。


⑤生活コストが低い
地方では都市部と比べて、家賃や土地代、物価が一般的に安いため、初期投資や経営にかかるコストを大幅に抑えることができます。これにより、限られた資金を有効に活用でき、事業運営に必要な資源に充てる余裕が生まれます。

また、低い生活コストは、従業員の給与水準にも影響を与えるため、優秀な人材を採用する際の負担を軽減できます。さらに、地方では食材や材料の調達が容易で、地元の産品を利用することでコストダウンが可能です。

これにより、利益率を向上させることができ、事業の安定性が高まります。加えて、生活コストが低いことは、従業員や自分自身の生活の質を向上させる要因ともなり、仕事に集中できる環境を提供します。
このように、地方での低コストな生活環境は、起業の成功を支える重要な要素となります。


地方で起業するデメリットとは?


①人口減少や少子高齢化
地方で起業する際のデメリットの一つは、人口減少や少子高齢化の影響です。地域の人口が減少することで、潜在的な顧客数が減り、ビジネスの成長が難しくなる可能性があります。

また、高齢化が進むと、若い世代の労働力が不足し、事業の運営に支障をきたすこともあります。
このような状況では、商品やサービスの需要が減少し、収益が安定しにくくなるため、持続可能な経営が課題となります。


②交通や物流の不便さ
都市部に比べて交通インフラが整備されていない地域では、顧客や取引先へのアクセスが難しく、ビジネス展開に支障をきたすことがあります。特に、公共交通機関が少ない場合、自社の営業活動や顧客訪問に多くの時間がかかり、効率的な運営が難しくなることがあります。

さらに、物流面でも課題があります。地方では、物流業者の選択肢が限られていることが多く、配送コストが高くなりがちです。

これにより、原材料や商品を迅速に調達したり、顧客に納品したりする際に遅延が生じることがあります。このような状況は、納期の遵守が求められるビジネスにおいて致命的な問題となり、顧客満足度を低下させる要因となります。


③マーケットの小ささ
地方で起業する際のデメリットに、マーケットの小ささも挙げられます。都市部と比較して、地方の人口は少なく、消費者の数が限られています。
このため、提供できる商品やサービスの需要が低くなることがあります。特に特定のニッチな市場を狙ったビジネスでは、ターゲットとなる顧客層が少ないため、収益を上げるのが難しくなる場合があります。

また、マーケットが小さいと競合他社との競争が少なくなる一方で、顧客の選択肢も限られがちです。地域住民の購買力が低い場合、価格競争に巻き込まれるリスクもあり、利益率を確保するのが難しくなることがあります。

このように、地方でのマーケットの小ささは、事業の成長や持続可能性に対する大きな障害となることがあります。


④情報やネットワークの不足
地方では都市部に比べて、ビジネス関連の情報が入手しづらく、新しいトレンドや市場の動向を把握するのが難しい場合があります。
また、起業家や専門家とのネットワーキングの機会が限られているため、ビジネスの発展に必要なアドバイスや支援を受けにくいこともあります。
加えて、地方特有のビジネス環境や文化に関する情報も不足しがちで、事業戦略を練る際に困難を伴うことがあります。

この結果、他の地域と比較して競争力が低下し、成長のチャンスを逃すリスクが高まります。情報やネットワークの不足は、地方での起業における大きな課題となり、成功を阻む要因となることがあります。


⑤人材確保の難しさ
地方で起業する際の大きなデメリットの一つは、人材確保の難しさです。都市部に比べて、地方では働き手の数が限られており、特に専門的なスキルを持つ人材が不足しがちです。
このため、優秀な人材を採用するのが難しく、事業運営に必要な技術や経験を持ったスタッフを確保することが課題となります。

また、若い世代が都市部に移住する傾向が強く、地方では高齢者が多くなる一方で、労働力としての若年層が減少しています。このような状況では、採用活動に時間と労力がかかり、結果として事業の成長が妨げられる可能性があります。

さらに、地方の労働市場が狭いため、競争が激しく、同じような企業間で人材の奪い合いが発生することもあります。人材確保の難しさは、地方での起業において大きな障害となることがあります。


茨城県における地方創生の成功例


さて、ここまでは地方で事業を興すことのメリットとデメリットを紹介してきました。

ですが、これらのメリット・デメリットを含めて地方ではどんな事業を興しているのかイメージが付きにくい人もいるのではないでしょうか?

そこで、茨城県にて実際に行っている地方創生事業についてご紹介します!


【商店街と来街者を繋いだ茨城県結城市の地方創生】
商店街と来街者を繋いだ茨城県結城市の地方創生イベント開催から拠点づくりへと至った「結いプロジェクト」のまちづくり | まちとのつながり

茨城県結城市で興されたこの事業は、シャッター商店街から新たな価値を持つ魅力的なまちづくりを目指すプロジェクトです。普段はシャッターが閉まっている店舗を、その日限りでオープンする店へと作り上げていくイベントや音楽フェスイベント、シェアスペース、チャレンジキッチンを中心とした施設の設営など様々な取り組みに挑戦し、結城市の発展に貢献しています。

プロジェクトリーダーの方々も沢山苦戦される中、「僕たちが街の中に場所を作り、人と街をつなぐハブのような役割を果たす必要があるなと考えました」とやりがいを感じられているようです。


【茨城県八千代町で音楽フェス!】
茨城県の八千代町では二年前から若者が主体で運営する音楽フェス「やちおん」 が開催されています。DJやラッパー、ダンスグループなどが出場し、町の内外から約50組のグループがパフォーマンスを披露しました。

昨年は約一万人が会場を訪れたようです。イベント発起人の一人である柳田さんは「他の地区の友達に『八千代町って祭りはあるの?』と聞かれたときに寂しく感じた。

そこで実際にプロジェクトを始めると『こういうのを待ってた』と、いう声をいただき、楽しくやることが一番だと感じた」と自ら地方で興した事業について熱く語っています。


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Otanomi

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応募をしてもいきなり採用されるわけではなく、しっかり話しを聞いたうえで判断ができるためお互いに安心できる環境が整っています。

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まとめ


今回は地方で事業を興す際のメリット・デメリット、そして実際に地方で起業している事業例をいくつかご紹介しました。

少子高齢化や若手不足で地方での起業は困難だと感じている事業主の方も多いですが、その一方で地域に根差した大きな価値を生み出せることでしょう。

この記事を通して、起業で悩んでいる方、地方で就職しようか悩んでいる皆さんのお役に立てれば幸いです。