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【事例5選】
台湾から学ぶ地域活性化のヒント

海外の地方創生事例を学ぼう!

みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。
日本では近年、地方創生の重要性が高まり、多くの自治体が地域活性化に向けた取り組みを進めています。

しかし、少子高齢化や人口流出といった課題に直面し、成果を上げることは容易ではありません。
一方、台湾では地域振興策を積極的に進め、農業や観光、文化振興など様々な分野において成功を収めています。

台湾の地方創生は、政府だけでなく住民や企業が主体的に関与し、地域の特色を活かした取り組みを多く行なっていることが特徴です。

本記事では、台湾の地方創生の背景や課題を確認し、具体的な成功事例を紹介したうえで、日本国内での応用可能性についても考えます。

台湾における地方創生の背景と課題


(1)歴史的背景と地方衰退の要因
台湾では、かつて農業が主要産業であり、地方経済を支える基盤となっていました。
しかし、戦後の経済成長と都市化に伴い産業構造が大きく変化し、台北や高雄などの都市部で製造業やサービス業が発展を続けたことにより、地方との経済格差が拡大傾向にあります。

そのため、多くの若者が仕事を求めて都市へ移住する一方、地方では人口減少と高齢化の進行に直面することとなりました。

台湾は島国であり、地理的な条件が地域ごとの発展に大きな影響を与えているのも事実です。特に東部や山間部は観光資源に恵まれているものの、交通インフラが十分に整備されていないため、発展が遅れつつあります。
また、伝統産業の衰退も地方経済の低迷を招く要因となっています。



(2)台湾政府の政策と支援策
こうした状況を受け、台湾政府は2019年に「地方創生条例」を制定し、地方経済の活性化促進に着手しました。
この条例のもと、政府は地方の特性を活かした観光開発や農業振興を支援するための政策を展開し、補助金制度や税制優遇措置を導入しています。

具体例として、各地域の特産品をブランド化するための助成金を農業生産者や観光事業者が活用してる事案や、IT技術を活用したスマート観光の推進といった、デジタルツールを活用したプロモーションや観光サービスの改善などが挙げられます。
このように、地方の魅力を国内外に発信し、観光客の増加につなげる試みが進められています。



(3)地域ごとの特徴と課題
台湾では地域ごとに異なる課題を抱えており、自治体等の取組成果にも違いがみられます。
例えば、東部の台東県や花蓮県は自然豊かな観光資源が魅力ですが、アクセスの不便さが観光振興の障壁となっています。

一方、中部の南投県では農業とアートを融合した地域活性化が進められ、観光客の誘致にも成功しています。

また、西部の雲林県や嘉義県は伝統的な農業や食品加工産業が根付いた地域であり、これらを活かした地域振興が模索されていますが、都市部への人口流出が続いており、後継者不足が大きな課題となっています。

このように、それぞれの地域により特徴は様々です。そのため各地域が抱える問題に応じた地方創生策が求められているのです。


台湾の地方創生の成功事例5選


【成功事例1:池上郷(いけがみきょう/チーシャン):池上米を活用した地域活性化】

■池上米のブランド化とマーケティング戦略
池上郷は、台湾東部の台東県に位置する米どころです。
池上米は高品質なブランド米として国内外で評価されており、その成功の背景には、品質管理の徹底とマーケティング戦略の確立があります。
地元農家と行政が協力し、無農薬・減農薬農法を推進し、安全で美味しい米の生産を行っています。


■農業と観光の融合による経済活性化
池上郷では、池上弁当の開発や観光プログラムを通じて、地域経済の活性化を図っています。
観光客は、田園風景を楽しみながら地元の食文化を体験でき、内容の豊富さからリピーターが増加しています。

特に、サイクリングツアーや収穫体験が人気を集めています。
この機会を活用し、地元農家は農産品の販売機会を増やし、地域外からの経済流入を確保することに成功しました。



【成功事例2:寧夏夜市(ねいかよいち/ニンシャーイエシー):地域文化と観光の融合】

■伝統的な夜市の再生プロジェクト
寧夏夜市は、台北市にある伝統的な市場ですが、かつては衛生環境の悪化や観光客の減少が課題でした。
行政と地元商店主が協力し、衛生環境の改善や店舗の改装を進めることで、訪問者の増加につなげました。


■持続可能な観光モデルの確立
夜市では、エコフレンドリーな施策を導入し、プラスチック廃棄物の削減や電子決済の普及を進めました。
また、SNSを活用したプロモーション戦略が成功し、国内外からの観光客を呼び込むことに成功しています。

夜市では地元住民と観光客が共存できる仕組みを整え、文化と経済の両立を図っています。



【成功事例3:埔里(ほり/プーリー):アートと観光の融合】

■アートを活かした地域再生
南投県の埔里は、アートと観光を組み合わせた地域活性化に成功しました。
廃墟となった建物をアートギャラリーや体験型施設に転換し、観光客の誘致に成功しました。

地元アーティストと連携し、アートイベントを開催することで、地域の文化を広めています。
アートの力を活用し、都市部からの移住者を増やす取り組みも進められています。



【成功事例4:鹿港(ろくこう/ルーガン):伝統文化を活かした町おこし】

■歴史ある町並みを保存しながら観光資源化
鹿港は、台湾中部に位置し、清朝時代から繁栄した歴史的な港町です。
近年、歴史的建造物を保存しつつ、観光資源として活用する取り組みが進められています。
伝統的な建築物が並ぶ老街(古い町並み)を修復し、観光客が楽しめるエリアとして再生させました。


■伝統工芸と観光の融合
鹿港では、伝統的な工芸品や食文化が今も息づいています。
地元の職人たちは、竹細工や木彫り、手作りランタンなどの工芸品を観光客向けに販売し、ワークショップを開催しています。
これにより、観光客に対して地域の文化を体験してもらう機会を増やし、伝統産業の継承にも貢献しています。



【成功事例5:阿里山(ありさん/アーリーシャン):自然観光とエコツーリズムの推進】

■豊かな自然資源を活かした観光開発
阿里山は、台湾南部に位置する山岳地帯で、美しい森林と鉄道が有名な観光地です。
台湾政府と地元自治体は、阿里山の自然環境を保護しつつ、持続可能な観光開発を進めています。


■エコツーリズムと地域経済の発展
阿里山では、環境保護を重視したエコツーリズムが推進されています。
地元ガイドによる森林トレッキングツアーなど、観光客に生態系や自然環境の重要性を伝える活動が行われています。

また、地元農家による高山茶の生産も盛んであり、観光客向けの茶畑ツアーや試飲体験も人気を集めています。


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まとめ


本記事では、台湾の地方創生ついて詳しく解説しました。
台湾の地方創生は、官民連携、デジタル技術の活用、持続可能な観光開発などが成功の要因といえます。

観光立国である日本においても地域活性化などへ応用できる点が多く、地方創生のヒントとして、台湾の成功事例を参考にすることも重要といえるでしょう。