
【事例5選】
ベトナムから学ぶ地域活性化のヒント
みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。
近年、ベトナムは急速な経済成長を遂げていますが、その一方で都市部への人口集中や地方経済の停滞といった課題が顕在化している側面もあります。
ホーチミンやハノイなどの大都市では産業が集積し、人口増加が続く一方、地方では雇用機会の不足やインフラの未整備により、地域格差が広がりつつあります。
このような状況を受け、ベトナム政府は地方創生に関する政策を打ち出し、農業、観光、IT産業を中心とした地域活性化の取り組みを進めています。
本記事では、ベトナムにおける地方創生の背景や課題を整理し、具体的な成功事例を紹介します。
これらの事例から得られる知見をもとに、日本の地方創生に活かせるポイントについても考えてみましょう。
近年、ベトナムは急速な経済成長を遂げていますが、その一方で都市部への人口集中や地方経済の停滞といった課題が顕在化している側面もあります。
ホーチミンやハノイなどの大都市では産業が集積し、人口増加が続く一方、地方では雇用機会の不足やインフラの未整備により、地域格差が広がりつつあります。
このような状況を受け、ベトナム政府は地方創生に関する政策を打ち出し、農業、観光、IT産業を中心とした地域活性化の取り組みを進めています。
本記事では、ベトナムにおける地方創生の背景や課題を整理し、具体的な成功事例を紹介します。
これらの事例から得られる知見をもとに、日本の地方創生に活かせるポイントについても考えてみましょう。

ベトナムの地方創生の背景
(1)経済発展と地方格差の現状
ベトナムは近年、年間6〜7%の経済成長率を維持しており、新興市場として世界から注目されるようになりました。
しかし、都市部と地方との格差は依然として大きく、ホーチミンやハノイなどの大都市では賃金水準や生活環境が向上している一方で、地方では低賃金や雇用機会の不足が深刻な問題となっています。
特に農村部では、若年層の都市部への流出が加速し、地域経済の縮小が進んでいます。
政府はこの格差を是正するため、地方のインフラ整備や産業振興策を推進していますが、財政的な制約や民間投資の不足により、十分な成果を上げられていない地域もあります。
そのため、地方の特性を活かした持続可能な経済成長モデルが求められているのです。
(2)政府の政策と戦略
ベトナム政府は地方経済の発展を目的として、「新農村開発プログラム(Nông thôn mới)」を2010年に導入しました。
このプログラムは、農村部のインフラ改善、農業の近代化、地域産業の振興を柱とし、これまでに約9,000以上のコミューン(村・町)が支援を受けています。
具体的には、道路や電力網の整備、灌漑システムの導入、農作物の品質向上に向けた技術支援などが行われています。
また、政府は地方への民間投資を促進するため、法人税の減免措置や土地利用の優遇政策を導入しました。
特に、観光業やIT産業など、成長が見込まれる分野への支援が強化されており、地域ごとの特性を活かした産業育成が進められています。

ベトナムにおける地方創生の成功事例【5選】
【成功事例1:サパでのエコツーリズムと少数民族文化の融合】
■少数民族の文化を活かした観光戦略
サパはベトナム北部の山岳地帯に位置し、モン族やザオ族といった少数民族が暮らしています。
政府と地元自治体は、この地域の文化や自然を活かしたエコツーリズムを推進し、観光業を活用した地域活性化を進めています。
現在では年間100万人以上の観光客が訪れ、地元の民泊やガイド業などの新たな雇用が生まれるなど、観光を起点とした地方創生が進んでいます。
一方、観光業の発展に伴い、環境保護の必要性も高まっています。
環境保護のため、政府は観光客の受け入れ制限を設けるとともに、地元住民と協力して森林保護や廃棄物削減の取り組みを進めています。
取り組みの結果、自然環境と持続可能な観光開発を両立することに成功しています。
【成功事例2:ダナンにおけるIT産業の育成による地域活性化】
■ITパークの設立と人材育成
ダナンは、ホーチミンやハノイに次ぐIT産業の拠点としてめざましい成長を遂げています。2013年には「ダナンハイテクパーク」が設立され、国内外より多くの企業が進出してきました。
政府はIT人材の育成にも力を入れており、大学や職業訓練校とも連携し、プログラミングやデジタルマーケティングなどの専門スキルを習得できる環境を整えています。
IT産業の成長により、ダナンでは新たな雇用が生まれ、若年層の定住率向上にもつながりました。
また、リモートワークの普及により、海外企業との業務提携が増加し、グローバルな市場での競争力も高まるなど、地域経済への影響は計り知れません。
【成功事例3:メコンデルタにおける農業の近代化と輸出拡大】
■スマート農業の導入と生産性向上
メコンデルタはベトナム最大の農業地帯であり、特にコメや果物の生産が盛んな地域です。
この地域における農業生産を高めるため、政府はスマート農業技術の導入を進めており、センサー技術を活用した水管理システムや、自動化された農業機械などが導入されています。
輸出市場の拡大も進められており、日本や欧州向けの農産物の輸出が増加しています。品質管理の強化や国際認証の取得が進められたことで、ベトナム産農産物の競争力が向上し、地域経済の発展へとつながっています。
【成功事例4:フーコック島でのリゾート開発と観光産業の拡大】
■国際的な観光地としての成長
フーコック島は、ベトナム最大の島であり、政府のリゾート開発計画により観光地として急成長を遂げています。
近年、多くの外資系ホテルやリゾート施設が進出し、観光産業による経済効果をもたらしています。
観光開発が進む中で、環境保護の取り組みも重視されており、サンゴ礁の保護やエコリゾートの導入など、持続可能な観光開発が求められています。
政府と地元企業等が協力し、観光業と環境保全のバランスを保つ努力が続けられています。
【成功事例5:バクザン省での伝統工芸と地域ブランドの確立】
■地元の伝統工芸品を活かした産業振興
バクザン省では、陶器や織物などの伝統工芸品をブランド化し、EC市場を活用した販路拡大が進められています。
オンラインマーケットプレイスの活用により、国内外への販売が拡大し、伝統工芸を新たな経済資源として見直す契機となりました。
小規模事業者向けの支援制度が整備され、政府の補助金制度や研修プログラムが構築されています。
この取り組みは、新規事業者が参入しやすい環境整備の一翼となり、地域経済の発展や活性化へ貢献しています。

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まとめ
本記事では、ベトナムの地方創生ついて詳しく解説しました。
ベトナムの地方創生は、観光、IT、農業の各分野で成功事例を生み出しています。これらの事例を参考にし、日本の地方創生に活かすことで、持続可能な地域発展を実現できる可能性があります。
ベトナムのエコツーリズムの成功事例には、日本の地方観光振興にも応用可能なものも多く、地域の自然や文化を活かした観光モデルを導入することで、環境保護と経済発展の両立を図ることにつながるかもしれません。
また、日本とベトナムの地方自治体が連携することで、新たな産業創出や観光促進の機会を生み出すことができるでしょう。
今回の事例をぜひ参考にしてみてください。