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【副業×社会保険】
個人事業主が知っておくべき負担と注意点

みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。

副業を持つ個人事業主の社会保険料の仕組みを徹底解説。
ダブルワークや扶養内での注意点、年収ラインの影響、フリーランスとしての保険加入方法まで詳しく解説します。

1. 副業における社会保険料はどうなる?


1-1 副業を持つ個人事業主が注意すべきポイント
個人事業主として副業を営む場合、社会保険制度上の位置づけは本業とは別に扱われるため、細心の注意が必要です。基本的には、本業が会社員の場合は会社で健康保険・厚生年金に加入していますが、副業の個人事業主としての立場では国民健康保険と国民年金の対象となります。

しかし、実際には二重加入する必要はなく、通常は本業での社会保険加入が優先されます。ただし、注意すべき点として、副業の収入が一定額(年間130万円以上)を超えると、本業の勤務先での社会保険料計算に影響が及ぶ可能性があります。具体的には、標準報酬月額の再算定が行われ、本業の給与からの天引き額が増加することがあります。

また、税務面では副業収入の申告漏れに注意する必要があります。確定申告時に個人事業の所得を正確に申告し、必要な経費を適切に計上することで、不要な社会保険料や税金の追加負担を避けることができます。


1-2 副業による社会保険料の増加とその理由
副業の所得が増えると、社会保険料負担が増える主な理由は2つあります。

1つ目は住民税の増加です。
副業による所得増加は翌年の住民税額に反映され、通常は本業の給与から天引きされる「特別徴収」の形で支払うことになります。これにより、手取り額が予想以上に減少することがあります。


2つ目は国民健康保険料の増加です。
副業が個人事業主として行われている場合、その所得に応じて国民健康保険料が計算されます。自治体によって計算方法は異なりますが、一般的に所得が増えるほど保険料も高くなる仕組みです。
例えば、年間200万円の副業所得がある場合、国保料として年間20万円前後の負担が生じる可能性があります。

特に注意すべきは、副業収入が本業の会社に知られるリスクです。
住民税の特別徴収を通じて副業の存在が会社側に察知される可能性があるため、会社の就業規則で副業が禁止されている場合は、住民税を自分で納める「普通徴収」への切り替えを検討する必要があります。



1-3 社会保険加入を避けたい場合の方法と注意点
副業で社会保険への加入を避けるには、収入ラインを調整する必要があります。
扶養内で副業をしている場合、年間収入を130万円以内に抑えることで、扶養から外れることなく保険料負担を回避できます。また、配偶者控除の範囲内(103万円以下)に収まれば税制上のメリットも維持できます。

ただし、意図的に収入を抑えすぎると本業への影響や将来の年金額に影響を及ぼすため、正確な収支シミュレーションを行い、短期的な保険料負担と長期的な年金受給のバランスを考慮した上で、最適な収入ラインを設定することが重要です。

場合によっては、税理士や社会保険労務士などの専門家に相談することも検討すべきでしょう。


2. ダブルワーク時の社会保険の仕組み


2-1 片方だけの勤務先で社会保険に加入する条件
ダブルワーク(複数の勤務先で働く形態)における社会保険加入は、それぞれの就労条件によって決まります。

一般的に、勤務先で社会保険(健康保険・厚生年金)に加入するための条件は、「週の所定労働時間が20時間以上」かつ「月額賃金が8.8万円以上」、「勤務期間が2ヶ月を超えて見込まれること」などの要件を満たす必要があります。

一方、条件を満たさない場合は、国民健康保険に加入するケースが一般的です。



2-2 ダブルワークでの社会保険料計算方法
ダブルワークの社会保険料は、本業の収入を基準に計算されます。副業で得た収入が年間130万円以上となると、本業と副業の収入を合算して保険料を再計算する場合があります。

注意すべき点として、副業の年間収入が130万円を超えると、翌年分の住民税や国民健康保険料が大幅に増加する可能性があります。

また、社会保険料の二重払いを避けるために、事前に年間収支を計算し、収入と社会保険料のバランスを検討することが重要です。

特に、複数の勤務先での社会保険加入が収入増に見合わない場合は、どちらか一方の勤務時間を調整するなどの対策も考慮すべきでしょう。
このため、収入状況を事前に確認し、余計な保険料負担を避ける工夫が必要です。



2-3 ダブルワークのメリットとデメリット
メリットとしては、収入の増加が最も大きな利点です。
本業だけでは得られない追加収入により、生活の質の向上や貯蓄の増加につながります。また、異なる職場で働くことで新たなスキルや知識を習得でき、キャリアの幅を広げることができます。

一方、デメリットとしては、社会保険料の負担増があります。
複数の職場で社会保険に加入すると、それぞれの職場で保険料が徴収されるため、収入の増加に対して手取り額の増加率が低くなることがあります。

また、時間的余裕の減少も大きな課題です。複数の仕事を掛け持つことによる肉体的・精神的疲労が蓄積し、健康状態の悪化につながる可能性があります。さらに、確定申告の複雑化や住民税の増加など、税務面での手続きや負担が増えることも覚悟する必要があります。

ダブルワークを成功させるためには、こうしたメリットとデメリットをしっかりと理解した上で、自分のライフスタイルに合った働き方を選択することが重要です。特に、収入管理と社会保険料・税金の計算を適切に行い、予想外の出費に備えることが必須といえるでしょう。


3. 副業を持つ人の年収による影響と注意点


3-1 確定申告での年収報告のポイント
副業収入がある場合、確定申告で正確に収入を報告する必要があります。
特に、雑所得や事業所得として申告する際は、必要経費を適切に計上し、課税所得を抑える工夫が重要です。

確定申告を怠ると、後日ペナルティが科される可能性があるため注意しましょう。



3-2 130万円や106万円の年収ラインの重要性
年収130万円は、扶養控除の基準として重要なラインです。
また、社会保険に加入する条件は106万円が基準になる場合があります。
これらのラインを超えると、自動的に扶養から外れたり社会保険料負担が発生するため、収入の調整が必要です。



3-3 年収が社会保険料に与える影響を解説
年収が増えると、社会保険料も比例して上昇します。
特に、年収500万円を超える場合、健康保険や年金の負担が大幅に増加するため、事前に収支計画を立てておくことが重要です。

また、副業収入が増えすぎると本業の収入にも影響を与える可能性があるため、注意が必要です。


4. 副業掛け持ちの場合の社会保険手続き


4-1 社会保険の手続き方法と必要な書類
副業を掛け持ちする場合の社会保険手続きは、就労形態によって異なります。まず、会社員として複数の企業で働く場合、それぞれの勤務先で社会保険加入条件を満たしていれば、原則としてそれぞれの勤務先で加入手続きが必要です。

一方、個人事業主として副業をする場合、自身で国民健康保険と国民年金の手続きを行う必要があります。国民健康保険の加入手続きは居住地の市区町村役場で行い、住民票、マイナンバーカードまたは通知カード、本人確認書類、前年の所得を証明する書類(源泉徴収票など)が必要です。国民年金についても、市区町村の国民年金窓口で手続きを行います。

特に注意すべき点として、勤務先での社会保険加入と個人事業主としての国民健康保険・国民年金加入は二重になる可能性があります。

この場合、申請により国民健康保険・国民年金の保険料を免除してもらえる制度があるため、必ず確認と申請を行いましょう。



4-2 個人事業主の手続きで陥りやすい問題
個人事業主としての副業を行う際、社会保険料の計算ミスや納付漏れ、確定申告の不備も大きな問題です。

特に、所得額を正確に申告しない場合、税務調査や追加徴収の対象になる可能性があります。
これらの問題を防ぐために、税理士や社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、適切な手続きと納税計画を立てることができます。



4-3 会社員として副業をする場合の義務と手続き
会社員として副業を行う場合、まず本業の就業規則で副業が許可されているかどうかを確認することが最重要です。
副業禁止規定がある会社で無断で副業を行った場合、最悪のケースでは懲戒処分の対象となることもあります。

2025年現在、多くの企業で副業を認める動きが広がっていますが、事前申請制を採用している会社も多いため、必ず会社のルールに従いましょう。

また、副業の収入が住民税や社会保険料に影響するため、住民税を「普通徴収」に切り替えることで本業に知られにくくすることが可能です。


5. フリーランスが注意すべき社会保険のポイント


5-1 フリーランスが社会保険に加入するメリット
フリーランスが社会保険に加入することで、健康保険や年金の給付を受けられる安心感が得られます。
たとえば、病気やけがをした場合の医療費が軽減されるほか、出産手当金や育児休業給付金を受け取れる可能性があります。

また、年金制度に加入することで、将来の生活資金を確保する仕組みが整います。
これらの制度は、フリーランスとしての安定した働き方を支える重要な要素です。



5-2 フリーランスが入るべき健康保険
フリーランスの場合、加入する健康保険として国民健康保険が一般的ですが、組合健保や共済会に加入する選択肢もあります。

組合健保では、保険料が所得に比例しないため、高収入のフリーランスにとってコストを抑える効果が期待できます。
また、扶養家族がいる場合は、家族全員の医療保障も検討すべきポイントです。



5-3 年金制度とフリーランスの関わり
フリーランスは基本的に国民年金への加入が義務付けられています。
任意で国民年金基金やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用することで、老後の年金受給額を増やすことが可能です。

また、年金保険料は所得控除の対象となり、確定申告で税負担を軽減できるメリットもあります。


6. 扶養に入っている場合の副業と社会保険への影響


6-1 配偶者の扶養下での副業と注意点
配偶者の扶養に入っている場合、年間収入が130万円を超えると扶養から外れる可能性があります。
扶養から外れると、自身で社会保険に加入する必要があり、保険料負担が増えるため注意が必要です。

副業収入が不安定な場合は、収入の予測と調整を行い、扶養範囲内での働き方を検討することが重要です。



6-2 扶養を外れるときの手続きと影響
扶養から外れる際は、配偶者が加入する健康保険組合に報告し、自分自身で国民健康保険と国民年金の手続きを行う必要があります。
これにより、保険料負担が大幅に増加するため、副業収入が十分でない場合は生活費に影響を与える可能性があります。

手続きは市区町村役場で行い、収入証明書を用意しておくことが推奨されます。



6-3 年収103万円制限を超えた場合の対処法
扶養控除の対象となる年収103万円を超えた場合、所得税が発生します。 この場合、確定申告で必要経費をしっかりと計上し、課税所得を抑えることが重要です。

また、扶養から外れた場合の生活コスト増を見越し、副業収入の適切な管理が求められます。


7. 本業と副業の収入合算で注意すべき点


7-1 年末調整と確定申告の違いと要点
本業の収入は通常、勤務先で年末調整が行われますが、副業収入がある場合は、確定申告が必要です。
特に、副業が雑所得や事業所得に該当する場合、経費計上の仕組みを理解することで、課税所得を適切に計算することが重要です。

年末調整と確定申告の役割を把握し、申告漏れを防ぎましょう。



7-2 所得税と住民税の計算上の注意点
本業と副業の収入を合算した際、所得税と住民税がどのように計算されるかを理解しておくことが重要です。 特に、副業収入が増えると税率が上がる場合があるため、事前に税額シミュレーションを行うと良いでしょう。

また、住民税の特別徴収を避け、普通徴収に切り替えることで、本業の勤務先に副業収入が知られるリスクを軽減できます。



7-3 二重に課税されないための注意事項
副業収入と本業収入が二重に課税されることはありませんが、確定申告の際に副業収入を正確に記載し、重複を避けることが大切です。

特に、経費や控除を適切に反映させることで、課税所得を抑えることが可能です。
申告書の記載ミスや計算間違いを防ぐために、税理士や専門家のアドバイスを受けるのも有効です。


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まとめ


本記事では、社会保険料の負担と注意点について詳しく解説しました。

副業が個人事業やフリーランスの場合、社会保険料や税務手続きには注意が必要です。
扶養範囲や年収ラインを把握し、本業との収入合算を適切に管理することで、安定した副業ライフを実現しましょう。

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