
【特産品で町おこし】
地域創生を成功に導いた実例7選
みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。
地方創生の取り組みにおいて、特産品を活用した町おこしは最も身近で効果的な手法の一つです。
全国各地で様々な取り組みが行われている中、実際に地域活性化に成功した事例には共通する要素と戦略があります。
本記事では、特産品による町おこしの成功事例を詳しく分析し、地域創生に役立つ実践的な知見をお届けします。
地方創生の取り組みにおいて、特産品を活用した町おこしは最も身近で効果的な手法の一つです。
全国各地で様々な取り組みが行われている中、実際に地域活性化に成功した事例には共通する要素と戦略があります。
本記事では、特産品による町おこしの成功事例を詳しく分析し、地域創生に役立つ実践的な知見をお届けします。
【目次】
1. 特産品による町おこしの基本概念と意義
2. 代表的な成功事例7選
3. 成功事例に共通する戦略と要素
4. 失敗事例から学ぶリスクと対策
5. デジタル時代の新たな取り組みと可能性
副業や兼業で仕事をお探しなら「Otanomi」へ
まとめ
1. 特産品による町おこしの基本概念と意義
2. 代表的な成功事例7選
3. 成功事例に共通する戦略と要素
4. 失敗事例から学ぶリスクと対策
5. デジタル時代の新たな取り組みと可能性
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まとめ

1. 特産品による町おこしの基本概念と意義
特産品による地域活性化とは
特産品による町おこしとは、地域固有の農産物や加工品、食文化を活用して、観光誘客、雇用創出、地域ブランド化を図る取り組みです。
単に商品を販売するだけでなく、地域の歴史や文化、人々の暮らしと結びつけることで、地域全体の魅力向上を目指します。
成功する特産品事業の特徴
成功事例に共通する特徴として、以下の要素が挙げられます。
■地域資源の独自性活用:
地域固有の資源や文化を最大限に活用した差別化戦略を展開しています。
■官民連携の推進:
自治体と民間企業、住民が一体となった取り組みを行っています。
■継続的な改善:
短期的な成果にとどまらず、持続可能な発展を見据えた長期戦略を実践しています。
■外部人材の活用:
地域外からの新たな視点と専門知識を導入しています。
地域経済への波及効果
特産品による町おこしは、直接的な売上効果だけでなく、観光誘客、雇用創出、関連産業の活性化など、地域経済全体への波及効果をもたらします。
成功事例では、一つの特産品が地域全体のブランド価値向上に寄与し、移住促進や企業誘致にもつながるケースが多く見られます。
2. 代表的な成功事例7選
① 高知県馬路村:ゆずで年商33億円の奇跡
高知県馬路村は、人口約900人の小さな村でありながら、ゆずを活用した特産品で年商33億円を達成した地域活性化の代表的成功事例です。
【成功の要因】
村の取り組みの特徴は、流通を介さず直接消費者に販売する手法に力を入れたことです 全国中小企業団体中央会。百貨店での実演販売、通信販売、テレビショッピングなど、多様な販路を開拓しました。
また、「村をまるごと売り込む」戦略により、単なる商品販売を超えて、村の生活文化や自然環境も含めた総合的なブランディングを実現しました。
これにより、リピーター率は驚異的な90%以上を維持しています。
【具体的な取り組み】
■ぽん酢しょうゆ「ゆずの村」の開発・販売
■はちみつ入りゆず飲料「ごっくん馬路村」の大ヒット
■年間300組以上の視察受け入れによる観光効果
■ふるさと納税と連動した商品展開
◯参考:馬路村について(村の歴史)
② 徳島県神山町:クリエイターを魅了するITの町
徳島県神山町は、人口約4,500人の小さな町ですが、IT企業やクリエイターの誘致に成功し、地方創生の新たなモデルとして注目されています。
【成功の要因】
神山町の成功は、「創造的過疎」というコンセプトに基づいています。
これは、単に人口を増やすだけでなく、質の高い人口、特にIT分野の専門家やクリエイターを呼び込むことで、地域に新たな価値を生み出すことを目指しています。高速インターネット環境の整備、古民家を改装したオフィスの提供、移住支援などが包括的に行われています。
【具体的な取り組み】
■サテライトオフィス誘致の推進 東京などの都市部のIT企業のサテライトオフィスを積極的に誘致。現在では40社以上が進出しています。
■移住支援制度の充実
移住希望者向けの住居紹介や仕事の斡旋、地域住民との交流イベントなどを通じて、移住者が地域に溶け込みやすい環境を整備しています。
■「神山アーティスト・イン・レジデンス」の実施
国内外のアーティストを招き、地域資源を活用した作品制作やワークショップを行うことで、創造的なコミュニティを形成しています。
■「WEEK神山」の運営
コワーキングスペースと宿泊施設を兼ね備えた施設を運営し、短期滞在者や観光客にも神山町の魅力を発信しています。
◯参考:ICTを活用した地方創生の現況
③ 徳島県上勝町:葉っぱビジネスで年商2億6000万円
徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」は、高齢女性が主役となって年間2億6000万円を売り上げる革新的な取り組みです 。
【ビジネスモデルの特徴】
1987年から「彩(いろどり)」のブランド名で、日本料理の装飾に使う「つまもの」として出荷しています。山に自生する草花や葉っぱを商品化し、全国の料亭や旅館に供給する仕組みを構築しました。
【成功の秘訣】
■高齢者でも取り組める軽作業による雇用創出
■ITシステムを活用した効率的な受発注システム
■季節感を重視した商品開発と品質管理
■全国約300社の顧客との継続的な取引関係構築
この取り組みにより、過疎化に悩む山間部の町が活性化し、移住者の増加や観光客の誘致にも成功しています。
◯参考:上勝町の葉っぱビジネスついて
④ 岡山県西粟倉村:木材で自立する「百年の森林(もり)構想」
岡山県西粟倉村は、人口約1,400人の小さな村ですが、豊富な森林資源を活用した「百年の森林(もり)構想」を掲げ、林業の再生と地域経済の活性化に成功しています。
【成功の要因】
西粟倉村の取り組みは、林業を単なる素材生産だけでなく、加工・販売・人材育成までを一貫して行う6次産業化を目指している点にあります。
また、村内外の企業やNPO、若手人材との連携を積極的に行い、地域全体で林業を盛り上げる体制を構築しています。
【具体的な取り組み】
■「百年の森林(もり)構想」の推進
村の森林を100年かけて育て、持続可能な林業経営を目指す長期ビジョンを策定。
■木材加工施設の整備
村内で伐採された木材を、建材や家具、雑貨などに加工する施設を整備し、付加価値を高めています。
■若手林業家の育成と誘致
「地域おこし協力隊」制度などを活用し、林業に関心のある若者を全国から受け入れ、技術習得や起業を支援しています。
■「ようび」などのブランド展開
村の木材を使用した家具や生活雑貨のオリジナルブランドを立ち上げ、全国に販路を拡大しています。
◯参考:百年の森林構想
⑤ 静岡県富士宮市:富士宮やきそばの全国展開
富士宮やきそばは、B-1グランプリで連続優勝を果たし、地域への経済効果500億円を達成した代表的な成功事例です。
【成功要因の分析】
成功の要因は、「やきそば学会」という市民団体から始まった"だじゃれ"的な発想と、市民の手作りによる取り組みにあります。やきそばという日常的な食べ物を、「情報」という魔法によって「金のなる木」に変えた典型例です。
【戦略的な取り組み】
■独自の製法と食材による差別化(コシのある蒸し麺、削り粉の使用)
■B-1グランプリの創設と運営による全国展開
■メディア戦略による知名度向上
■市内120店舗以上での統一ブランド展開
◯参考:やきそば学会
⑥ 長崎県佐世保市:佐世保バーガーの地域ブランド化
佐世保バーガーは、戦後にアメリカ軍が持ち込んだハンバーガー文化を独自発展させ、地域を代表するご当地グルメに成長させた事例です。
【地域活性化への効果】
8年間でハンバーガー店舗数が約3倍に増加し、佐世保バーガーの売上数が3年間で6倍に伸びるなど、中心市街地の活性化に大きく貢献しました。
また、年間65万人の観光客が佐世保バーガーを目的に訪れており、観光業界にも大きな波及効果をもたらしています。
◯参考: 佐世保バーガーについて
⑦ 宮崎県日南市:廃校を拠点にした企業誘致と雇用創出
宮崎県日南市は、少子高齢化と人口減少に直面する中、廃校となった中学校を活用した企業誘致と雇用創出で地方創生を推進しています。
【成功の要因】
日南市の成功は、スピード感のある意思決定と、柔軟な発想に基づいています。廃校という負の遺産を逆手に取り、コールセンターなどの誘致に特化することで、早期に多くの雇用を生み出すことに成功しました。
また、進出企業への手厚いサポート体制も魅力となっています。
【具体的な取り組み】
■廃校施設の活用
廃校となった旧油津中学校の校舎を改修し、コールセンターやIT企業のオフィスとして提供。
■企業誘致の積極化
進出企業に対して、家賃補助や雇用奨励金などの独自の優遇措置を設け、企業誘致を強力に推進。
■「日南市企業立地促進条例」の制定
企業誘致を促進するための法的な枠組みを整備し、迅速な事業展開を支援。
■雇用創出への貢献
廃校活用による企業誘致の結果、数百人規模の雇用が生まれ、若者の地元定着にも繋がっています。
◯参考:潮の杜 / うしおのもり

3. 成功事例に共通する戦略と要素
ストーリーテリングの重要性
成功事例に共通するのは、単なる商品販売ではなく、地域の歴史や文化、人々の想いを込めたストーリーテリングを重視していることです。
馬路村の「村をまるごと売り込む」戦略や、富士宮やきそばの市民参加型の取り組みなど、商品の背景にある物語が消費者の心を捉えています。
品質へのこだわりと差別化
成功している特産品は、必ず他地域の類似商品との明確な差別化を図っています。
馬路村のゆず製品における「無添加・天然素材」へのこだわり、富士宮やきそばの独特な製法、上勝町の季節感を重視した葉っぱの品質管理など、それぞれが独自の価値を提供しています。
継続的なマーケティング活動
一時的な話題作りではなく、継続的なマーケティング活動を展開している点も共通しています。
メディア露出、イベント参加、口コミマーケティング、デジタルマーケティングなど、多角的なアプローチで認知度向上と顧客獲得を図っています。
地域一体となった取り組み
成功事例では、特定の企業や団体だけでなく、地域全体が一体となって取り組んでいます。
行政の支援、地域住民の参加、関連事業者の連携により、持続可能な事業展開を実現しています。
4. 失敗事例から学ぶリスクと対策
よくある失敗パターン
特産品による町おこしには成功事例がある一方で、失敗に終わるケースも少なくありません。 主な失敗要因として以下が挙げられます。
■短期的な視点での取り組み:
一時的なブームに依存し、継続的な事業戦略が不足しているケース。
■差別化の不足:
他地域の成功事例を模倣するだけで、独自性や地域性が不足しているケース。
■品質管理の不備:
急激な需要増加に対応できず、品質低下により信頼を失うケース。
■マーケティング力の不足:
良い商品を作っても、適切な販路開拓や宣伝活動ができていないケース。
リスク回避のための対策
市場調査と競合分析の徹底 事業開始前に十分な市場調査を行い、競合商品との差別化ポイントを明確にする。
■段階的な事業拡大:
いきなり大規模展開を目指すのではなく、小規模から始めて徐々に拡大する。
■品質管理体制の構築:
需要増加に対応できる品質管理体制を事前に整備する。
■多様な販路の確保:
特定の販路に依存せず、複数のチャネルを確保してリスク分散を図る。
5. デジタル時代の新たな取り組みと可能性
■SNSとデジタルマーケティングの活用
現代の特産品による町おこしでは、SNSやデジタルマーケティングの活用が不可欠となっています。
Instagram、X(旧Twitter)、YouTubeなどを通じた情報発信により、従来のマスメディアだけでは到達できない層にもアプローチできるようになりました。
■ECサイトと通信販売の拡充
コロナ禍を契機とした巣ごもり需要の高まりにより、ECサイトでの販売が急速に拡大しています。
成功している地域では、自社ECサイトの充実に加え、楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングなどの大手モールへの出店も積極的に行っています。
■体験型観光との連携
特産品の製造体験、収穫体験、試食体験など、体験型観光と連携した取り組みが注目されています。
特産品をきっかけに地域を訪れた観光客が、実際に製造現場を見学したり体験したりすることで、より深い愛着を持ってもらう効果が期待できます。
■データ分析による戦略最適化
購買データ、アクセス解析、SNS反応などのデータを活用した戦略最適化も重要になっています。
どの商品がどの年代に人気なのか、どの地域からの注文が多いのかなどを分析することで、より効果的なマーケティング戦略を立案できます。
■持続可能性への配慮
近年では、環境への配慮や持続可能性を重視する消費者が増加しており、特産品開発においてもSDGsの観点が重要になっています。
有機栽培、フードロス削減、パッケージの環境配慮など、社会的な責任を意識した取り組みが求められています。

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まとめ
本記事では、特産品による町おこしついて詳しく解説しました。
特産品による町おこしは、地域資源を活用した持続可能な地域創生の有効な手段です。
成功事例から学べることは、単なる商品開発を超えて、地域のストーリーテリング、品質へのこだわり、継続的なマーケティング、地域一体となった取り組みが重要であることです。
デジタル化の進展により新たな可能性も広がっており、各地域の特性を活かした創意工夫あふれる取り組みが期待されます。特産品を通じた地域の魅力発信と経済活性化により、持続可能な地域社会の実現を目指していきたいものです。