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【地方副業×営業力】
地域創生に貢献する新しい働き方

みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。

近年、働き方改革の進展とデジタル技術の発達により、「地方副業」という新しい働き方が注目を集めています。特に営業職の方にとって、これまで培ったスキルを地方企業の課題解決に活かす機会が大幅に拡大しています。

本記事では、地方副業における営業の可能性から具体的な成功事例まで、地域創生の視点から詳しく解説いたします。

1. 地方副業における営業の役割と可能性


地方副業とは何か
地方副業とは、都市部に住みながら地方企業や自治体の課題解決に副業として関わる働き方です。従来の移住を前提とした地方転職とは異なり、リモートワークやオンライン技術を活用して、住居を移すことなく地域の発展に貢献できる点が最大の特徴です。

地方副業の大半はフルリモートの勤務形態となり、企画立案や課題解決にやりがいを感じる人に特におすすめされています。営業職にとっては、これまでの経験とスキルを新しい環境で活かす絶好の機会となっています。



地方企業が抱える営業課題
地方企業が直面する営業関連の課題は深刻で多岐にわたります。
主な課題として以下が挙げられます:

■営業人材の不足
地方では若年層の都市部流出により、営業経験豊富な人材の確保が困難になっています マンパワーグループ。特に専門性の高い営業手法や最新のデジタルマーケティングに精通した人材は極めて稀少です。

■営業ノウハウの不足
多くの地方企業では、従来の人脈や紹介に依存した営業手法が中心で、体系的な営業戦略やプロセス管理が不十分な場合が多く見られます。

■新規開拓力の弱さ
既存顧客との関係維持は得意でも、新規市場開拓や新商品の販路拡大に苦手意識を持つ企業が多数存在します。

■デジタル化の遅れ
オンライン営業やSNSマーケティング、CRMシステムの活用など、デジタル時代の営業手法への対応が遅れている企業が目立ちます。



営業職が地方副業で果たせる役割
営業経験豊富な都市部人材が地方副業で果たせる役割は多岐にわたります:

■営業戦略の立案・改善
都市部で培った営業戦略やプロセス改善のノウハウを活用し、地方企業の営業活動を体系化・効率化することができます。

■新規開拓の支援
新しい市場や顧客層へのアプローチ方法を提案し、実際の営業活動をサポートします。

■営業人材の育成
地域の若手営業担当者に対するメンタリングや研修を通じて、営業スキルの向上を図ります。

■デジタル営業の導入
オンライン営業ツールやデジタルマーケティング手法の導入・運用をサポートします。


2. 地方副業営業で求められるスキルとメリット


必要とされる営業スキル
地方副業で営業に従事する際に特に重要なスキルは以下の通りです:

■コミュニケーションスキル
地域の文化や慣習を理解し、地元の人々と信頼関係を築くための高いコミュニケーション能力が不可欠です。オンライン環境でも相手の心を掴む話術や傾聴力が求められます。

■マーケティングスキル
地域特性を踏まえた効果的なマーケティング戦略を立案・実行できる能力が重要です。地域の消費者行動や競合状況を分析し、適切なアプローチを選択する必要があります。

■テクノロジースキル
オンライン商談ツール、CRMシステム、デジタルマーケティングツールなど、最新の営業支援技術を活用できるスキルが必須です。

■販売スキル
商品・サービスの価値を的確に伝え、顧客のニーズに応じた提案ができる実践的な販売能力が求められます。

■課題解決スキル
地方企業特有の課題を発見し、創意工夫で解決策を提案できる能力が重要です。



地方副業営業のメリット
【個人側のメリット】
思い入れのある地方に貢献できる機会を得られます。また、都市部で培ったスキルや経験を新しい環境で活かしながら、地方特有の課題解決を通じて新たなスキルや知識を習得できます。

■収入面での利点
副業として取り組むため、本業の収入に加えて追加収入を得ることができます。営業代行では自身で単価を設定できるため、スキル次第で高収入も期待できます。

■キャリア面での効果
多様な業界・企業との関わりを通じて人脈を拡大でき、将来のキャリアアップにつながる実績を積むことができます。


【企業側のメリット】
地方企業にとっては、都市部の優秀な営業人材を活用できる貴重な機会となります。正社員として雇用するよりもコストを抑えながら、高度な営業スキルを導入できます。

また、外部の視点から客観的なアドバイスを受けることで、これまで気づかなかった課題や改善点を発見できる可能性があります。



地方副業で注意すべきポイント
■地域文化への理解
地方特有の商慣習やコミュニケーションスタイルを理解し、適応する努力が必要です。

■情報セキュリティ
本業の企業情報と副業先の情報を適切に管理し、機密保持を徹底する必要があります。

■時間管理
本業との両立を図るため、効率的な時間管理と明確な優先順位設定が重要です。


3. 地方副業営業の成功事例【3選】


【事例1】新潟県三条市:三条商工会議所と都市部OBが伴走した販路拡大
金属加工が盛んな新潟県三条市では、伝統的な工場の多くが「営業人材不足」に悩んでいました。ある刃物メーカーも例外ではなく、高品質な製品をつくりながらも新規取引先の開拓が進まず、売上は伸び悩んでいました。

そこで三条商工会議所は、首都圏の大手商社OBを副業人材として企業に紹介。副業人材は週1回オンラインミーティングを行い、過去の営業資料や見積書を精査。ターゲットを明確にし、展示会出展の戦略を立てました。さらにOB自身の人脈を活かし、関東地方の問屋や専門店への商談機会を設定。これにより、新規取引先が年間で5社増え、売上も15%上昇しました。

「自社だけでは到達できない販路にアクセスできたことが、何よりの収穫だった」と経営者は語ります。都市部の経験を地域企業に注ぐ副業人材の価値を実感した事例です。



【事例2】福井銀行 地方創生人材バンク:営業支援でEC拡販に成功
福井県の老舗繊維メーカーは、国内市場の縮小に伴って営業力の見直しを迫られていました。特に、オンライン販売への展開を検討するも、社内にECの営業ノウハウがなく、踏み出せない状況が続いていました。

福井銀行が運営する「地方創生人材バンク」に相談した結果、東京のECコンサルタントで副業を希望していた人材がマッチ。月に1回の現地訪問と週次オンライン会議で密に連携し、ECモール出店、商品ページの改善、広告運用を段階的に実行しました。さらに、既存の法人営業先に対してもECサイト活用の提案営業を行い、新規顧客層の獲得に成功。

副業人材の指導から半年後にはオンライン売上が2倍に拡大。オフライン営業だけに依存していた体制から脱却し、販売チャネルを広げることで業績が回復しました。



【事例3】高知県よさこい移住サポートデスク:観光PRの営業支援
高知県東部の小規模な観光施設は、コロナ禍で団体客の激減に苦しんでいました。地域に営業担当は1名のみで、広報・販促活動にも限界があったことから、来訪者数の落ち込みを食い止めるための支援が求められていました。

この課題に対して、高知県「よさこい移住サポートデスク」が動きました。移住を検討する都市部のクリエイターを副業プロボノとして呼び込み、施設の魅力を再編集。SNS運用のレクチャーや営業用パンフレットの刷新を進め、ターゲット層を若い家族層にシフト。さらに、副業人材が既存の旅行代理店やメディアへの営業同行を行い、PRを強化しました。

結果としてSNSフォロワーは約2倍に増え、オンライン経由での予約が大幅に増加。営業面の課題を解消し、集客回復の足がかりを築きました。




これらの事例に共通するのは、地域単独では得られない営業の知恵やネットワークを、副業人材がもたらした点です。都市部の営業経験や販路、マーケティング手法を「一過性の支援」ではなく、現地企業が定着させられるよう伴走支援する仕組みが効果を発揮しました。

単なる外注ではなく「共創」による営業力の底上げは、地方企業が持続的に成長するための重要な選択肢といえます。


4. デジタル時代の地方副業営業手法


オンライン営業の活用
地方副業においては、オンライン営業が中心となります。
効果的なオンライン営業には以下の要素が重要です:

■ビデオ会議ツールの活用
Zoom Teams Google Meet などのツールを使いこなし、対面営業に近い体験を提供する技術が必要です。
画面共有機能を活用したプレゼンテーションや、バーチャル背景を使った専門性の演出なども効果的です。

■CRMシステムの導入支援
地方企業にCRMシステムを導入し、顧客情報の一元管理と営業プロセスの可視化を支援します。
Salesforce HubSpot kintone など、企業規模や予算に応じた最適なツール選択が重要です。

■デジタルマーケティングとの連携
SNSマーケティング、コンテンツマーケティング、メールマーケティングなど、デジタル手法を営業活動と連携させることで、効果的なリード獲得と育成を実現します。


■データ活用による営業改善
営業データの分析
営業活動から得られるデータを分析し、成約率の向上や営業プロセスの最適化を図ります。
Excel やGoogle スプレッドシートを活用した簡易的な分析から、BIツールを使った高度な分析まで、企業のレベルに応じて提案します。

■顧客行動の可視化
Webサイトのアクセス解析やSNSでの反応を分析し、顧客の関心度や購買タイミングを予測する手法を導入します。



地方特性を活かしたハイブリッド営業
■オンラインとオフラインの組み合わせ
完全リモートの副業でありながら、必要に応じて現地訪問を組み合わせることで、より効果的な営業活動を実現します。
年数回の現地訪問により、オンラインでは伝わりにくい地域の魅力や企業の特色を深く理解できます。

■地域イベントの活用
地域の祭りや商工会議所のイベント、展示会などを活用した営業機会の創出をサポートします。
地方ならではのコミュニティを活用したマーケティング手法は、都市部では得られない効果を生むことがあります。


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まとめ


本記事では、地方副業における営業の可能性から具体的な成功事例について詳しく解説しました。

地方副業における営業は、地域創生と個人のキャリア発展を同時に実現できる魅力的な働き方です。
都市部で培った営業スキルを地方企業の課題解決に活かすことで、地域経済の活性化に大きく貢献できます。

デジタル技術の進歩により、物理的な距離を超えた営業活動が可能になった今、営業職の方にとって地方副業は新たな可能性を開く重要な選択肢となっています。

成功事例からも分かるように、地域の特性を理解し、適切なツールとスキルを組み合わせることで、都市部にいながら地方企業の営業力向上に貢献し、持続可能な地域発展を支援することができるのです。