【地域創生に役立つ資格一覧】
取得メリットと活かし方

みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。

これから資格の勉強を始めようと考えている方にとって、「取得した資格がどんな場面で役立つのか」は重要な選択基準の一つです。
近年、地方創生や地域活性化の分野で、様々な専門スキルを持つ人材へのニーズが高まっています。

人口減少や産業衰退が進む中、地域では多様なスキルを持つ人材が求められています。資格は必須ではありませんが、体系的な知識習得の指針となり、専門性を客観的に証明する手段の一つとして、副業やリモートでの地域貢献の可能性を広げてくれます。

本記事では、地方創生の現場で役立つ可能性のある資格の一例を紹介し、それぞれの特徴と活かし方を解説します。これから資格取得を検討している方が、自分の興味や将来の選択肢を広げるための参考として、実践的な情報をお届けします。

※資格取得方法については、2025年10月時点の情報になります

【目次】

1. 地方創生で求められる専門スキル系資格

2. デジタル・マーケティング分野の実用資格

3. 地域コミュニティ・社会課題解決系資格

4. 地域資源活用・産業振興系資格

副業や兼業で仕事をお探しなら「Otanomi」へ

まとめ

1. 地方創生で求められる専門スキル系資格

① 中小企業診断士:地域経営の総合アドバイザー
中小企業診断士は、地方創生において最も活用度の高い資格の一例です。
総務省の地域力創造アドバイザー制度でも多くの中小企業診断士が登録されており、地域経済の活性化において重要な役割を果たしています。

【取得メリット】
■地域企業の経営改善支援により地域経済活性化に直接貢献
■副業として地方企業のコンサルティング業務が可能
■リモートでも戦略策定や事業計画立案などの支援が実施可能
■自治体の産業振興施策立案にも専門知識を活用

【活かし方の具体例】
地域の中小企業が抱える後継者問題、デジタル化対応、新規事業開発などの課題に対して、経営改善計画の策定支援を行います。
また、地域産業クラスターの形成支援や、地場産業のブランディング戦略立案など、地域活性化の核となるプロジェクトに参画できます。

【取得方法】
■1次試験(経済学、財務・会計、企業経営理論など7科目)
■2次試験(事例研究4科目)
■実務補習または実務従事
■受験料:1次試験14,500円、2次試験17,800円
■合格率:約20%(1次・2次総合)

【取得を検討する際のポイント】
経営全般に興味があり、論理的思考力を活かして地域企業を支援したい方に適しています。
学習期間は一般的に1,000時間程度必要とされるため、計画的な学習スケジュールを立てることが重要です。

② 地域創生士:地域貢献人材の証明
地域創生士は、大学での専門教育を受けた地域貢献人材を認定する制度の一例です。
福井県の「ふくい地域創生士」のように、各地域で独自の認定制度が運営されています。

【取得メリット】
■地域課題への理解と解決能力の体系的習得
■地方自治体の採用試験で優遇される場合がある
■地域プロジェクトへの参画機会の拡大
■地方創生分野でのキャリア形成に有利

【活かし方の具体例】
自治体や地域商工会議所でのまちづくり企画立案、観光振興プロジェクトの推進、地域住民と企業を結ぶコーディネート業務など、地域活性化の現場で幅広く活用できます。

【取得方法(福井県の例)】
■県内高等教育機関での地域志向科目履修
■地域貢献活動への参加
■課題研究の実施
■認定要件を満たした学生・社会人が対象

【取得を検討する際のポイント】
お住まいの地域や関心のある地域で同様の制度があるか確認してみましょう。
地域に根差した活動を始めたい方の最初のステップとして適しています。

③ 観光士・観光コーディネーター:地域の魅力発信
日本観光士会が認定する観光士資格は、観光を通じた地域活性化に特化した専門資格の一例です。地方の観光資源を活用したまちづくりにおいて重要な役割を果たします。

【取得メリット】
■地域観光資源の価値創造と活用ノウハウの習得
■インバウンド対応を含む観光戦略立案能力の向上
■副業として観光プランニング業務が可能
■DMO(観光地域づくり法人)での活躍機会

【活かし方の具体例】
地域の隠れた観光スポットの発掘とプロモーション、体験型観光プログラムの開発、地域の歴史・文化を活かしたストーリーテリング、観光客の受入環境整備の企画立案など、観光による地方創生の最前線で活躍できます。

【取得方法】
■観光士養成研修プログラム受講(2-3日間)
■観光に関する基礎知識と実践的スキルの習得
■レポート提出による認定
■受講料:一般60,000円、学生40,000円

【取得を検討する際のポイント】
地域の魅力を発信することに情熱を持ち、人とのコミュニケーションが得意な方に向いています。
比較的短期間で取得可能なため、地方創生の第一歩として取り組みやすい資格です。

2. デジタル・マーケティング分野の実用資格

① マーケティング検定:戦略的地域PR
マーケティング検定は、地域の魅力発信や観光促進において極めて実用性の高い資格の一例です。SNSを活用した情報発信やデータ分析による効果測定など、現代の地域活性化に不可欠なスキルを証明できます。

【取得メリット】
■地域ブランディングの戦略立案能力の証明
■デジタルマーケティングによる地方創生支援が可能
■リモートでのマーケティング支援業務に対応
■地域産品の販路拡大支援に直接活用

【活かし方の具体例】
地域特産品のオンライン販売戦略立案、ふるさと納税返礼品のマーケティング支援、地域イベントの集客戦略策定、SNSを活用した地域情報発信の企画運営など、副業としても高いニーズがあります。

【取得方法】
■3級(基礎レベル):受験料6,600円
■2級(実務レベル):受験料9,460円
■1級(戦略レベル):受験料14,850円
■全国のテストセンターで随時受験可能

【取得を検討する際のポイント】
マーケティングの基礎から学びたい方は3級から、実務経験がある方は2級から挑戦できます。デジタル時代の地域活性化に必須のスキルを体系的に習得できます。

② Webデザイン技能検定:地域のデジタル化推進
地域のホームページやECサイト制作など、地方創生におけるデジタル化支援に直結する国家資格の一例です。多くの地域でWebサイトの改善や新規制作のニーズが高まっています。

【取得メリット】
■地域のデジタル化推進に直接貢献
■リモートでのWebサイト制作・改善支援が可能
■地域企業のオンライン進出支援に活用
■フリーランスとして副業収入の確保

【活かし方の具体例】
地域商工会議所のホームページリニューアル、地域観光サイトの制作、地場産業のECサイト構築支援、自治体のデジタル化推進プロジェクトへの参画など、技術的専門性を活かした地域活性化支援が可能です。

【取得方法】
■3級:学科試験+実技試験(受験料:学科5,000円、実技5,000円)
■2級:学科試験+実技試験(受験料:学科6,000円、実技12,500円)
■1級:学科試験+実技試験(受験料:学科7,000円、実技25,000円)

【取得を検討する際のポイント】
Web制作の実務経験がなくても3級から挑戦できます。技術習得に時間がかかるため、オンライン学習サービスなどを活用して段階的にスキルを身につけることをお勧めします。

③ Google Analytics個人認定資格(GAIQ):データドリブン地域経営
Googleが提供する無料の認定資格で、Webサイトの分析やデジタルマーケティングの効果測定に関する専門知識を証明できる資格の一例です。地方創生プロジェクトの効果測定において重要なスキルです。

【取得メリット】
■地域プロジェクトの効果測定・改善提案が可能
■リモートでのデータ分析業務に対応
■地域企業のWebマーケティング支援に活用
■無料で取得可能なため投資対効果が高い

【活かし方の具体例】
地域観光サイトのアクセス解析、ふるさと納税サイトの改善提案、地域企業のWebマーケティング効果測定、自治体のオンラインサービス利用状況分析など、データに基づいた地域活性化戦略の立案支援に活用できます。

【取得を検討する際のポイント】
無料で何度でも受験可能なため、資格取得の入門として最適です。デジタルマーケティングの基礎を学びたい方は、まずこの資格から始めてみることをお勧めします。

3. 地域コミュニティ・社会課題解決系資格

① 社会福祉士:地域福祉の専門家
高齢化が進む地方において、社会福祉士は地域包括ケアシステムの構築や福祉のまちづくりにおいて重要な役割を担う資格の一例です。地方創生における社会課題解決の専門家として活躍できます。

【取得メリット】
■高齢化する地域社会の課題解決に専門性を発揮
■地域包括ケアシステムの構築支援が可能
■副業として福祉関連コンサルティングに従事
■地域の社会資源ネットワーク構築に貢献

【活かし方の具体例】
地域の高齢者支援体制構築、障害者の社会参加促進プログラム企画、地域住民の孤立防止ネットワーク形成、福祉と産業を連携させた新しいサービス開発など、包括的な地域活性化アプローチが可能です。

【取得方法】
■国家試験受験(年1回実施)
■受験料:15,440円
■合格率:約25-30%
■受験資格:福祉系大学卒業または実務経験+養成施設卒業

【取得を検討する際のポイント】
受験資格を得るまでに一定の学習期間が必要ですが、超高齢社会において需要が高く、長期的なキャリア形成に有利な資格です。福祉分野に関心がある方は、まず受験資格の取得ルートを確認しましょう。

② ファシリテーター関連資格:住民参加型まちづくり
SDGs de 地方創生公認ファシリテーターなど、住民参加型のまちづくりを推進する専門資格の一例です。公式サイトによると、全国各地でワークショップが開催されており、実践的な活用機会が豊富です。

【取得メリット】
■住民主体のまちづくりプロセス設計・運営が可能
■多様なステークホルダー間の合意形成支援に活用
■副業としてワークショップ運営業務に従事可能
■地域の対話文化醸成に貢献

【活かし方の具体例】
自治体の総合計画策定における住民ワークショップの企画運営、地域ビジョン策定プロセスのファシリテート、商店街活性化に向けた関係者会議の進行、移住定住促進のための地域住民との対話会設計など、地方創生の合意形成場面で重要な役割を果たします。

【取得方法(SDGs de 地方創生の例)】
■養成講座受講(8時間研修)
■受講料:120,000円(税別)
■月1-2回開催、定員約12名
■先輩ファシリテーターとの実践交流を含む

【取得を検討する際のポイント】
コミュニケーション能力を活かして地域づくりに関わりたい方に適しています。受講料は高めですが、短期間で実践的なスキルを習得でき、即戦力として活躍できます。

③ 地域おこし協力隊サポートデスク認定:移住定住促進
総務省の地域おこし協力隊制度と連携した人材支援の専門性を証明する資格の一例です。移住定住促進や関係人口創出において専門的な支援が可能になります。

【取得メリット】
■移住希望者と地域のマッチング支援が可能
■関係人口創出プログラムの企画運営に活用
■リモートでの移住相談業務に対応
■地域人材確保の専門アドバイザーとして活躍

【活かし方の具体例】
都市部での移住相談会の企画運営、地域おこし協力隊の募集・選考支援、移住後のフォローアップ体制構築、関係人口向けの地域体験プログラム開発など、人の流れ創出による地方創生に直接貢献できます。

【取得を検討する際のポイント】
移住・定住支援に関心がある方や、都市と地方の架け橋になりたい方に適しています。自身の移住経験を活かすこともできる分野です。

4. 地域資源活用・産業振興系資格

① 6次産業化プランナー:農業と観光の融合
農業を核とした地域活性化において、6次産業化(生産・加工・販売の一体化)を推進する専門資格の一例です。地方の基幹産業である農業の高付加価値化に貢献できます。

【取得メリット】
■農産物の付加価値向上による地域経済活性化に貢献
■農業と観光を融合したアグリツーリズムの企画が可能
■副業として農業経営改善支援に従事
■地域ブランド創出の専門性を発揮

【活かし方の具体例】
地域特産品の商品開発支援、農家レストランの事業計画策定、農業体験プログラムの企画運営、地産地消推進ネットワークの構築、直売所の経営改善支援など、農業を軸とした地方創生プロジェクトで重要な役割を果たします。

【取得方法】
■6次産業化プランナー養成研修受講
■農業経営、食品加工、マーケティング等の総合研修
■地域での実践プロジェクト参画
■研修費:地域により異なる(10-30万円程度)

【取得を検討する際のポイント】
農業や食に関心がある方、地域の一次産業を支援したい方に適しています。農業分野の知識がなくても、研修を通じて体系的に学べます。

② 地域再生マネージャー:まちづくりの総合プロデューサー
内閣府認定の地域再生に関する総合的な資格の一例です。地方創生プロジェクトの企画から実行まで、包括的なマネジメント能力を証明できます。

【取得メリット】
■地域再生プロジェクトの総合的な企画運営が可能
■国や自治体の地域再生事業への参画機会拡大
■副業として地域プロデュース業務に従事
■地域の多様な課題への総合的アプローチが可能

【活かし方の具体例】
中心市街地活性化基本計画の策定支援、地域再生計画の企画立案、観光地域づくりの総合プロデュース、産学官連携プロジェクトのコーディネート、地域ブランド化戦略の推進など、地域活性化の司令塔的役割を担えます。

【取得方法】
■地域再生マネージャー養成講座受講
■地域再生に関する総合研修プログラム
■実地研修とレポート提出
■受講料:約50万円

【取得を検討する際のポイント】
受講料が高額なため、地方創生を本格的なキャリアとして考えている方向けです。既に地域活動の経験があり、さらにステップアップしたい方に適しています。

③ 食品衛生責任者:地域食文化の安全管理
地域の食文化を活かした地方創生において、安全・安心の確保は不可欠です。食品衛生責任者資格により、地域食品事業の立ち上げ支援や品質管理指導が可能になる資格の一例です。

【取得メリット】
■地域特産品開発における安全管理の専門性発揮
■飲食店開業支援や食品製造業立ち上げサポートが可能
■副業として食品衛生管理指導に従事
■観光と食を連携させた事業企画に活用

【活かし方の具体例】
地域特産品の商品化支援、農家レストランの開業サポート、食品加工施設の衛生管理指導、地域食材を活用したメニュー開発、食の安全・安心をアピールした観光プロモーションなど、食を核とした地域活性化プロジェクトで専門性を発揮できます。

【取得方法】
■各都道府県食品衛生協会主催の講習会受講(約6時間)
■受講料:12,000円程度
■対象:17歳以上(高校生除く)
■講習修了により即時取得可能

【取得を検討する際のポイント】
1日の講習で取得できる手軽さが魅力です。食品関連の地域ビジネスに関わりたい方の最初のステップとして最適です。費用も比較的安価で、取得しやすい資格といえます。

副業や兼業で仕事をお探しなら「Otanomi」へ

Otanomiは、「副業・兼業から始める地方創生」をテーマに、地方自治体や企業の課題解決に対する取り組みにチャレンジできるサイトです。
→Otanomi←

Otanomiではよくある求人票ではなく課題を掲載しているため、困りごとがダイレクトに分かるという特徴があります。
課題を見て自分にできそうだな、とお考えであれば応募をし、実際に自治体や企業の担当者と話をして、条件が一致すれば実際に仕事がスタートします。

応募をしてもいきなり採用されるわけではなく、しっかり話しを聞いたうえで判断ができるためお互いに安心できる環境が整っています。

フリーランス・副業・兼業などで地域と繋がってみたい際は、ぜひOtanomiをご利用ください。副業からはじめたい場合も歓迎です。

まとめ

本記事では、地域創生に役立つ資格一覧と取得メリットと活かし方について詳しく解説しました。

本記事で紹介した資格は、地方創生の現場で求められているものの一例です。
資格選びでは、自分の興味・関心と投資できる時間や費用を考慮し、まずは一つの分野から始めてみることをお勧めします。複数の資格を組み合わせることで専門性が高まり、より大きな価値を創出できます。

重要なのは資格取得を目的とするのではなく、その知識とスキルを活かして実際に地域の課題解決に貢献することです。地域と共に成長し、日本の未来を創っていく一歩として、今日から資格取得への挑戦を始めてみてはいかがでしょうか。