【事例3選】海外に学ぶ地方創生~中国編~
みなさんこんにちは、コラム担当のあらぽんです。
地方創生とは、地方にある資源を活用し、地域経済の活性化や人口増加を目指す取り組みにつながります。この地方創生を推進するため、各地域でさまざまな事例があります。今回は中国の地方創生事例を紹介し、日本の地方創生に参考になる点を探っていきます。
地方創生とは、地方にある資源を活用し、地域経済の活性化や人口増加を目指す取り組みにつながります。この地方創生を推進するため、各地域でさまざまな事例があります。今回は中国の地方創生事例を紹介し、日本の地方創生に参考になる点を探っていきます。
中国について
中華人民共和国=「中国」は、人口約14億人と世界第一位の多さかつ、面積は約960万平方キロメートルと日本の約26倍もあると言われています。民族は、漢民族が約92%、その他55の少数民族がいます。
歴史は、多くの王朝の興亡の歴史や文化的・政治的な変遷を経てきました。文化は、書道、絵画、音楽、演劇、武術など、多岐にわたる芸術形式を含んでおり、世界中で高い評価を得ています。
経済面では、中急速な成長を遂げ、世界最大の経済上位を獲得しました。 製造業や輸出入業において非常に競争力があり、最近では高度な技術産業や革新分野でも急速に発展して、人工知能、ロボティクス、電子商取引など、様々な分野でリーダーシップを発揮しています。
観光地としても魅力的な場所が多く存在しています。万里の長城や兵馬俑などの世界遺産、黄山や桂林などの自然景観、北京や上海などの現代都市など、多様な観光スポットがあります。食文化も多様であり、北京料理や四川料理、広東料理など、地域ごとに特色のある料理が楽しめます。
また、地方創生の視点からも注目されており、大都市部だけでなく、地方の経済発展や社会改革にも力を入れています。中国政府は、農村地域の近代化、インフラ整備、の普及、観光振興など、地方の発展を支援するための政策を展開しています。それでは、どのような取り組みがされているのか見ていきましょう。
中国を代表する発展を遂げている地域
ここでは中国でも特に発展を遂げている、深圳市・成都市・広州市の3市をご紹介します。
1.「中国のシリコンバレー」を目指す都市: 深圳市
深圳市は、1979年に特別経済区として設立され、経済特区としての発展を遂げてきた都市です。現在は人口1500万人を超え、65歳以上の割合は人口の約2%と若い街としても有名で、中国有数の経済的中心地として発展しています。深圳市は、ICT産業に注力し、産業集積を促進しています。その結果、世界的に有名な企業が多数進出しており、さまざまなイノベーションが生まれています。
日本の地方創生においても、ICT産業を活かすことが重要です。地方にある小規模企業が、オンラインで商品の販売を行ったり、ICTを活用した新しいサービスを提供することで、地域経済の活性化が期待できるでしょう。
2.地域文化を味わえる観光地を目指す都市:成都市
成都市は、中国では4番目の規模として知られており、三国時代から続く長い歴史がある場所として有名です。中国で最も古いお茶の歴史をもつと言われている成都市のお茶などの特産品や、文化を題材にした場所が多く存在しており地域経済の活性化につながっています。また、民間企業が進出する場所を提供するなど、起業家支援にも力を入れています。
日本の地方創生において、地域の特産品や文化を活かして観光産業を発展させるヒントになっていきます。地域の伝統文化を活かしたイベントの開催など、地域の魅力を発信することが重要になるでしょう。
3.国際的物流拠点として発展を目指す都市:広州市
広州市は、広東省南部に位置し、物流拠点としての発展に力を入れています。広州市は、21世紀海上シルクロード戦略の中国南部ルートに位置し、物流拠点としてのインフラ整備が進んでいます。また、海外からの投資を引きつけるためのビジネス環境整備も進められています。
日本の地方創生において、物流拠点としての発展は特に、国際貿易に強い地域であれば、海外のビジネスマンにとって魅力的な場所になります。地方にある小規模企業も、海外からの注文に対応することができ、地域経済の発展につながっていくでしょう。
中国で地域経済の活性化が目覚ましい事例【3選】
ここでは、地域経済活性化の取り組みに特に力を入れている、青島市・成都市・蘇州市の3市をご紹介します。
1.海洋産業の振興:青島市
青島市は、中国の山東省に位置する都市で中国最大級の港湾が位置しており、その港湾を中心に海洋産業を育成することで、地域経済の活性化を図っています。特に海洋産業の振興を進める中で、海洋資源の多角的活用として食品加工や観光業が積極的に行なわれています。
■海洋産業×食品加工
例えば、青島ビールというのが有名で、これは世界の名水のひとつとして知られる郊外の崂山(ろうざん)の湧き水を使用しており、青島市にある第一工場で醸造されている貴重なビールです。また、海産物を加工して多彩な商品を生産しており、海藻や海老などの加工品もあります。これらは、既存の海産物を生かしながら、品質や付加価値の向上を図ることができます。また、加工した商品の販路を拡大することで、地域の経済発展に貢献することができます。
■海洋産業×観光業
海や山に囲まれた自然豊かな地域であり、多くの観光客が訪れる街として有名です。海を活かしたアクティビティや、海産物を使ったグルメなど、海洋資源を生かした観光プランが多数あります。また、青島ビールの醸造所見学や、海洋博物館など、海洋に関連する施設も多く存在し、観光産業の発展に貢献しています。
また、かつてドイツが支配していた地域であり、その影響を受けた建築物や文化が残っています。こうした場所を活かした「青島文化」のアピールにより、国内外からの観光客や留学生などを呼び込むことにつなげており、文化交流の促進を行っています。
こうした取り組みにより、地域の経済発展や文化交流が促進されるとともに、海洋資源の保全にもつながっています。今後さらに、海洋産業の振興に取り組み、地域の発展を目指していくことに注目が集まるでしょう。
青島市は、中国の山東省に位置する都市で中国最大級の港湾が位置しており、その港湾を中心に海洋産業を育成することで、地域経済の活性化を図っています。特に海洋産業の振興を進める中で、海洋資源の多角的活用として食品加工や観光業が積極的に行なわれています。
■海洋産業×食品加工
例えば、青島ビールというのが有名で、これは世界の名水のひとつとして知られる郊外の崂山(ろうざん)の湧き水を使用しており、青島市にある第一工場で醸造されている貴重なビールです。また、海産物を加工して多彩な商品を生産しており、海藻や海老などの加工品もあります。これらは、既存の海産物を生かしながら、品質や付加価値の向上を図ることができます。また、加工した商品の販路を拡大することで、地域の経済発展に貢献することができます。
■海洋産業×観光業
海や山に囲まれた自然豊かな地域であり、多くの観光客が訪れる街として有名です。海を活かしたアクティビティや、海産物を使ったグルメなど、海洋資源を生かした観光プランが多数あります。また、青島ビールの醸造所見学や、海洋博物館など、海洋に関連する施設も多く存在し、観光産業の発展に貢献しています。
また、かつてドイツが支配していた地域であり、その影響を受けた建築物や文化が残っています。こうした場所を活かした「青島文化」のアピールにより、国内外からの観光客や留学生などを呼び込むことにつなげており、文化交流の促進を行っています。
こうした取り組みにより、地域の経済発展や文化交流が促進されるとともに、海洋資源の保全にもつながっています。今後さらに、海洋産業の振興に取り組み、地域の発展を目指していくことに注目が集まるでしょう。
2.文化産業の育成:成都市
成都市は、中国の四川省に位置する都市で中国国内でも屈指の観光都市であり、その魅力を生かした文化産業の育成に注力することで地域経済を活性化しています。また、文化産業の付加価値は、域内総生産に占める割合は10%を超えており、訪れた観光客数は延べ2億400万人に上っています。(2020年時点)
■歴史的資源を活かした観光地づくり
一番初めに創設された現代博物館の華西協合大学古物博物館。長年の発展を経て、三国志ファンに向けた成都武侯祠博物館や、中国国内外の漢詩ファンに向けた成都杜甫草堂博物館、アジア最大の昆虫博物館「華希昆虫博物館」など、各ファンが訪れたいと思うような、歴史的資源を活かした観光地へと発展をしています。また、成都市には博物館が160館もあることから、「博物館の街」とも言われています。
■重要な祝日をお祝いする伝統行事
今年の旧正月の2月5日には、伝統行事である「元宵節イベント」が金沙遺跡博物館で行なわれ、「猜灯謎(ランタンに張ったなぞを解く遊び)」や「剪紙(切り絵細工)」といった伝統的なパフォーマンスが賑やかに開催されるイベントとなっています。一同にお祝いを分かち合えるお祭りで、他にも民俗ショーや無形文化財展覧会など、多くの催しものがあります。こうした伝統的な行事を大切に守っていくことで、文化継承へとつなげています。
このような文化産業の育成の取り組みにより、地域経済は大きな成果を挙げており、さらに地域を盛り上げていくことが期待されています。
成都市は、中国の四川省に位置する都市で中国国内でも屈指の観光都市であり、その魅力を生かした文化産業の育成に注力することで地域経済を活性化しています。また、文化産業の付加価値は、域内総生産に占める割合は10%を超えており、訪れた観光客数は延べ2億400万人に上っています。(2020年時点)
■歴史的資源を活かした観光地づくり
一番初めに創設された現代博物館の華西協合大学古物博物館。長年の発展を経て、三国志ファンに向けた成都武侯祠博物館や、中国国内外の漢詩ファンに向けた成都杜甫草堂博物館、アジア最大の昆虫博物館「華希昆虫博物館」など、各ファンが訪れたいと思うような、歴史的資源を活かした観光地へと発展をしています。また、成都市には博物館が160館もあることから、「博物館の街」とも言われています。
■重要な祝日をお祝いする伝統行事
今年の旧正月の2月5日には、伝統行事である「元宵節イベント」が金沙遺跡博物館で行なわれ、「猜灯謎(ランタンに張ったなぞを解く遊び)」や「剪紙(切り絵細工)」といった伝統的なパフォーマンスが賑やかに開催されるイベントとなっています。一同にお祝いを分かち合えるお祭りで、他にも民俗ショーや無形文化財展覧会など、多くの催しものがあります。こうした伝統的な行事を大切に守っていくことで、文化継承へとつなげています。
このような文化産業の育成の取り組みにより、地域経済は大きな成果を挙げており、さらに地域を盛り上げていくことが期待されています。
3.高度経済成長地域としての発展:蘇州市
蘇州市は、中国の江蘇省に位置する都市で上海に次ぐ規模の経済区域が存在しています。近年、市政府は高度経済成長地域として市の発展を進めるための取り組みを多数行っており、特に人口流入による人材の育成や地域のインフラ整備の推進を積極的に行っています。
■人口流入による人材の育成
蘇州は、多くの人々が高度な教育を受け、優秀な人材になることを目指す場所として知られています。そのため、市政府は教育に力を入れ、多くの教育機関を設立しています。また、企業が自社の従業員を育成するための研修プログラムを導入することも積極的に支援しています。こうした施策により、蘇州市から多くの優れた人材を輩出し続けることにつながっています。
■地域のインフラ整備の推進
多数の企業が進出することで急速に発展していきました。そのため、市政府は、企業がスムーズかつ効率的に事業を行うためのインフラ整備を重点的に行っています。具体的な取り組みとしては、道路網の整備、鉄道の拡張、空港の建設、港湾の拡張などが挙げられます。こうした整備により、蘇州市はビジネス環境が向上し、多くの企業が進出することになりました。
人口流入による人材の育成や地域のインフラ整備の推進は、蘇州市の高度経済成長地域としての発展において、非常に重要な役割を果たしています。今後も、積極的に施策を進めて蘇州市をより一層発展させていくことが期待されているでしょう。
蘇州市は、中国の江蘇省に位置する都市で上海に次ぐ規模の経済区域が存在しています。近年、市政府は高度経済成長地域として市の発展を進めるための取り組みを多数行っており、特に人口流入による人材の育成や地域のインフラ整備の推進を積極的に行っています。
■人口流入による人材の育成
蘇州は、多くの人々が高度な教育を受け、優秀な人材になることを目指す場所として知られています。そのため、市政府は教育に力を入れ、多くの教育機関を設立しています。また、企業が自社の従業員を育成するための研修プログラムを導入することも積極的に支援しています。こうした施策により、蘇州市から多くの優れた人材を輩出し続けることにつながっています。
■地域のインフラ整備の推進
多数の企業が進出することで急速に発展していきました。そのため、市政府は、企業がスムーズかつ効率的に事業を行うためのインフラ整備を重点的に行っています。具体的な取り組みとしては、道路網の整備、鉄道の拡張、空港の建設、港湾の拡張などが挙げられます。こうした整備により、蘇州市はビジネス環境が向上し、多くの企業が進出することになりました。
人口流入による人材の育成や地域のインフラ整備の推進は、蘇州市の高度経済成長地域としての発展において、非常に重要な役割を果たしています。今後も、積極的に施策を進めて蘇州市をより一層発展させていくことが期待されているでしょう。
まとめ
中国の地方創生について、学ぶべき点が多くあるかと思います。地域の魅力を活かしたビジネス展開や、地域振興のための政策の策定など、多様な取り組みが必要です。
ただ日本と中国とでは、異なる文化や歴史があることに加えて、それぞれの経済発展の過程も異なるため、相互に学び合いながら取り入れられることから始めていくことが求められると考えます。