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【まとめ】すごい地方公務員!21~22年度【地方公務員アワード】~西日本編~

みなさんこんにちは、コラム担当のあらぽんです。
全国的に「地方公務員アワード」が開催されているのかことをご存知でしょうか? 2017年から毎年開催されているアワード となります。そこで今回は、「地方公務員アワード」の中でも、「2022年度」「2021年度」の中から西日本で受賞された12名の方に限定してご紹介をしていきます。

また、東日本編はこちらからご覧いただけます。

地方公務員の仕事について


地方公務員とは、市町村や都道府県などの地方行政機関で働き、地域の福祉や安全のために地方自治体で働く公務員のことを指します。
地方公務員になるためには国家公務員とは異なり、地方公務員は地方自治体の雇用条件に準じた採用試験を受ける必要があります。
具体的には、筆記試験や面接試験などが行われ、試験内容や難易度は地方自治体によって異なります。

詳しくはこちら(すごい地方公務員!21~22年度【地方公務員アワード】~東日本編~)からご覧ください。

地方公務員AWARDとは?


地方公務員の他薦をもとに、活躍する現役の地方公務員が審査を行い、『地味』『派手』を問わず「本当にすごい!」と思われる地方公務員(教育、福祉、警察、消防等を含む)を表彰する取り組みです。

地方自治体には高い成果を上げている公務員が多数存在しているものの、行政が行う業務には目立たない仕事が多く、活躍する公務員の成果やノウハウに光があたる機会は多くありません。高い成果をあげた職員の活躍を一般市民や他自治体、そして、メディアへ共有し、地方公務員がより力を発揮できる環境を構築できればとの思いで行われています。

地方公務員AWARD2021~2022年度の受賞者7名と実績


今回は、西日本の受賞者にフォーカスをあててご紹介していきます。
東日本編こちらからご覧ください。

■都市景観大賞を受賞!公民連携のトップランナー


【2022年】大阪府大東市 政策推進部
東 克宏さん


東さんがすごいと言われる実績。
(1)大東市の財政難、知名度不足を背景に一念発起し、都市経営プロフェッショナルスクールで学び、「公民連携事業」を実践したこと。

(2)「大東公民連携まちづくり事業会社」を設立し、財政課長、政策推進部長という企画財政マンから、「黒子」に徹する公民連携事業の先駆け的存在になったこと。

(3)しっかりと行政経営の仕組みに落とし込むために、大東市公民連携基本計画を策定。北条まちづくりプロジェクト(morinekiプロジェクト)、アクティブ・スクウェア大東など、公共施設・用地等を活用した4つのリーディングプロジェクトを推進。日本初の公民連携条例を制定されたこと。

(4)自分の自治体のみにとどまらず、公民連携を推進し全国に横展開する「NPO法人自治経営」の立ち上げに参画。初代理事長に就任されたこと。

(5)公民連携を全国の自治体組織の経営改善ツールとして横展開し着実に根付かせるべく「NPO法人自治体経営マネジメント研究」において「公民連携研究会」を令和4年度に立ち上げられたこと。

■全国のケースワーカーを支援!スーパーボランティアン


【2022年】大阪府大阪市 保健福祉課
山中 正則さん


山中さんは、生活保護関連の通知や通達を簡単なキーワードから検索する「生活保護通知・通達総索引」(※1)を完成させ、毎年新しく加えられた通知等の加筆をして修正まで行っています。また希望する方へは、業務に携わっている人であれば無料で提供しており、職員の方々は通常業務において困った際、マニュアルとして大活躍していると言います。


本来であれば、各福祉事務所に知識豊富なベテラン職員が配置されており、法的解釈や保護の運用に係る様々な悩み事に応えてくれる状況が望ましいものの、昨今の地方自治体職員の人員削減や、短期間の人事異動により知識構築や経験の継承が困難となっている自治体が散見される状況が否めません。そんな時に、山中さんが改編を続けている「生活保護通知・通達総索引」があることで、情報を素早く手にすることができるのです。
生活保護行政において、よりスマートな働き方改革となる事は間違いないのです。

また、課内のオンライン会議には定期的に参加し、後輩ケースワーカーの助言役として相談にも乗ってくれる気さくで優しい方とあり、誰もが信頼を寄せる納得の受賞者です。

※1・・生活保護通知・通達総索引とは、各種の通知や通達、先例に基づいた疑義問答など、様々な場所に存在する資料に横串を入れ、横断的に簡単なキーワードから「どこに必要なものがあるか?」を検索できるものです。

■コロナ禍に短期間で複数の事業を生み出した方


【2022年】福岡県大野城市 市民生活部市税課
田中 雄大さん


田中さんがコロナ禍において、支援を必要としている方向けに多くの事業を生み出し、実際に行われたことの一部をご紹介します。

(1)「国の住民税非課税世帯向け給付金の対応」
この給付金は、困窮した世帯が対象世帯に多く含まれるため、迅速に給付金を行き渡らせる必要があり、田中さんは事業開始後3週間程で8割の対象世帯に給付を完了。福岡県で最も早く、全国的にみても1ケ月経たずして8割の対象世帯に給付されたのです。

実績できた要因としては、
実施に必要なもののほとんどを田中さん自身で作り上げて事業を開始したこと。システムは他で使ったものを転用し、即座に実施できる体制を構築したことが、よりスピーディーに対応できた要因かと思います。

②一昨年の国民全員に給付した、特別定額給付金の振込先で予め振込データを作っておき、未申請、辞退や振込先変更等の修正が必要な世帯を後から対応する事で入力作業を限りなく削減したこと。 田中さん自身で作り上げたことで、全国的に問題視された高額な事務費を安価に抑えつつ、やり遂げた事が成果につながりました。

(2)「新生児給付金」 これは、市内で誕生した新生児に対して10万円を給付する事業。大野城市の属する福岡市を始めとする周辺自治体では、唯一実施しており、給付金を理由として転入する世帯も多く、目に見える結果として、コロナを起因とする社会的問題で、全国的に出生数が減少傾向にある中で、大野城市はここ2年間大きな減少もないとのこと。

給付金を理由に子育て世帯が大野城市を転入先に選んでもらうことで、給付額10万円以上の将来的な市税収入増加に期待ができる他、高齢化対策など、市としてもメリットが大きい取り組みとなっています。

■ニュータウン再生を手がけるキーマン!


【2021年】大阪府堺市 泉北ニューデザイン推進室
高松 俊さん


まちびらきから50年、複数の課題を抱える堺市泉北ニュータウン。このエリアの再生を総合的に進める部署のキーマンが髙松さんです。

「住む」まちに「働く」「暮らす」要素を加え、自らも「馬」に乗ってまちなかを移動する多様な暮らしの実践者なのです。市民協働で地域の担い手を育てた後、複数の地域課題を同時に解決に導き、エリアの知名度や価値を向上させたことがすごいと言われています。

(1)低・未活用だった駅前公園で、市民と共にカフェ出店、グランピング等の社会実験を実施。規制や行政の慣例の緩和を検討→実現を繰り返し、まちの魅力をつくり伝える「泉北をつむぐまちとわたしプロジェクト」の運営されました。地域らしさをつくるデザイン性の高い市民活動を多数創出されています。

(2)50周年の際は、50を超える催しが実施され、今でも様々な空間活用やコミュニティビジネスの創出が続いています。

(3)公的賃貸住宅をリノベーションし若年層誘致を目指す事業では、住宅供給公社やUR都市機構と連携。グッドデザイン賞等受賞され、リノベーション後の住戸は、応募倍率が平均6倍までになったと言います。

(4)Park-PFI制度(※2)を活用し、エリア内の公園をレストラン、アウトドア拠点、パンプトラック等の複合施設・公園として再生。維持管理コスト300万円/年の削減の他、500万円/年の歳入を確保しました。テナントの半分に、(1)で育てた複数の市民が社団法人の創設及び民間事業者として参画し、地域内経済の循環を叶えています。

・※2・・P-PFIは、飲食店、売店等の公園利用者の利便の向上に資する公募対象公園施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活用してその周辺の園路、広場等の一般の公園利用者が利用できる特定公園施設の整備・改修等を一体的に行う者を、公募により選定する制度のこと。

■Youtuberであるフリーランス公務員!


【2021年】京都府京丹後市 政策企画課
原田 翔さん


公務員×Youtuberのフリーランス公務員である原田さん。

令和元年9月から、公務員志望の学生や若手公務員向けの動画を制作・配信をしており、現役公務員Youtuberとして活動中。特に、ライブ配信で参加者から直接色々な声を聞き、質問を一つひとつ真摯に答えた、本のレビュー動画や他人を巻き込んだコラボ動画なども人気とのこと。原田さんの発信による影響力はとても大きく、特に公務員志望の学生の間では、超有名人となっているのです。

公務員Youtuberとしての実績だけではなく、地域との協働へ繋げていることも行っています。京丹後市のふるさと創生職員として「空き家再生推進」の担当をし、京丹後市移住支援サイトや動画作成を軸とした情報の交通整理も実施。
日頃の公務員Youtuberとしての活動から「動画配信の時代」が来ることを見越しており、京丹後市も、これからの時代の先をいく取り組みとして、原田さんの力が大いに発揮されることに期待を寄せています。

そして、多くの人に動画制作のノウハウを伝えることや、広告収入を得て自治体へ寄付するなどの財源への貢献も視野に入れて活動しており、公務員の社会的役割を示すパイオニア的な存在となっています。

■ICTシステムの立役者として活躍!


【2021年】兵庫県加古川市 政策企画課
多田 功さん


ICTシステム全般に精通している多田さんは、コロナ禍対応において以下の2つの業績をあげられました。

(1)1週間で定額給付金システムを立ち上げ
定額給付金の仕組みについて多くの混乱がありましたが、加古川市はいち早くマイナンバーを必須としない市独自のシステムを、民間のSaaSツールを用いて1週間で構築し展開。振り込みについても、申請状況がわかるシステムを構築しました。また、市のオープンデータとして無料で掲載し、他の自治体でも使えるように公表されています。

(2)ワクチン接種の抽選サイトを構築
ワクチン予約は多くの自治体でwebや電話がつながらない状況でしたが、加古川市はその状況を見てすぐに抽選方式に切り替え、システムを構築し受付をしました。その結果、大きな混乱は見られず、市民にも好評で、このシステムも民間のSaaSツールを用いて構築し、全市のオープンデータとして無料で掲載し、他の自治体でも使えるように公表されています。

■国立公園内初となるサウナの実現


【2021年】鳥取県琴浦町 商工観光課
吉田 祐介さん


吉田さんは、地元の人しか知らない穴場のキャンプ場の魅力に気づき、運営者と二人三脚で、キャンプ場の改革に取り組んでいます。民間運営者からでてくる、面白いアイデアをどうやって実現していくかなど、様々な機関と人と調整し実現させました。

国立公園内においては、行政と民間の役割・できる事を整理し、お互いが役割を認識して、国立公園内に全国初のサウナをオープンさせました。投資金額も1,500万円ほどで、全国のキャンプ場リニューアルに比べたら少額で機能を最大化させたのです。アイデアをお互いに出し合い、オペレーション等は運営者、自然公園に係る許認可、各所との調整を役所が行い実現ができたのです。

現在は、来場者数3倍、売上3倍、フィンランド大使館と連携するなど賑わいを見せています。BE-PAL誌の「ほんとうに気持ちいいキャンプ場100」(キャンプ場全国約4,200箇所)に選ばれるなど、大きな変化を遂げました。現在は、地元食材、企業とのコラボレーション、運営法人の設立など変化が現れ始めています。

まとめ


今回は、西日本編と題して2021〜2022年に「地方公務員AWARD」を受賞された方7名とその実績をご紹介いたしました。
こんな取り組みをしている地域に住んでみたい!魅力的な公務員の方がいる地域が気になる!など、この「地方公務員AWARD」が地域を知る新たなきっかけの一つになればと思います。
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