ホーム【事例3選】海外に学ぶ地域コミュニティ~オランダ編~

【事例3選】
海外に学ぶ地域コミュニティ
~オランダ編~

みなさんこんにちは、コラム担当のあらぽんです。

オランダは、地域コミュニティが発展している国の一つです。地域住民の協力体制や地域産業の発展など、様々な取り組みが注目されています。ここでは、オランダの地域コミュニティについて、具体的な取り組みを紹介します。

地域コミュニティとは?


地域コミュニティとは、地域をよりよくするために住民同士が協力し合う集団です。地域問題の解決を通じて人々のつながりを強化することで、地域の持続可能性を向上させることを目的としています。
詳細は地域コミュニティとは?を参考ください。

オランダってどんな国?


オランダは、ヨーロッパ西部に位置しており、人口約1,747万人、面積は41,864平方キロメートルと日本の九州とほぼ同じくらいの大きさの国です。ユーロッパ連合(EU)の一員で、首都はアムステルダムになります。

国土はほぼ平坦で河川や運河が多く、堤防や水門による水管理が特徴です。北海に面し、ダムや干拓地を用いて海からの侵入を防ぐための技術高いと言われています。

また、オランダは国土が狭いため、人口密度が高く、都市部に多くの人が住んでいます。経済は高度に発展しており、国際的な貿易、金融、観光業が主要な産業です。農業、花産業(特にチューリップ)、農産物の輸出が盛んな国であることも特徴です。

歴史は、1568年にオランダはネーデルラント連邦共和国として独立を達成し、17世紀には海洋国として飛躍的な発展をしました。第2次世界大戦では、ナチス・ドイツの侵略によってドイツの占領下に置かれましたが、1945年5月に連合軍によって解放。戦後は工業化を進め、近代工業国として発展してきました。1948年に独立した、ベルギー、ルクセンブルクと経済同盟を結んで、ベネルクス3国と呼ばれるようになり、1957年にはEEC(欧州経済共同体)に加盟して発展を遂げています。

文化的にはレンブラントやフェルメールなどの画家が輩出し、美術、音楽、文学が豊かで、風車や木靴などの伝統的な要素も大事にしています。また、自転車大国とも言われるくらい自転車文化が浸透していて、国全体として自転車専用道路が整備されており、環境への配慮が高い国としても有名です。

オランダの地域経済について


【持続可能な経済と環境への取り組み】
オランダは環境への配慮に積極的で、持続可能な経済モデルを推進しています。風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーへの移行が進行中であり、二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいます。また、都市計画においても緑の公共スペースや自転車インフラの整備を通じて、持続可能な都市生活を実現しようとしています。

【教育と労働力】
世界1位と言われる教育システムを持つオランダは、5~18歳までが義務教育でこの期間は公立・私立ともに無償で通うことができます。一人ひとりの能力や学びたいことを尊重しており、例えば何曜日に何を学ぶのかなど自分で選択する自由があります。そうした制度があることも背景に、ユニセフが発表している「子どもの幸福度」調査で、オランダは1位に輝いています。

また、多言語能力があることもオランダの労働力につながっており、国際的なビジネス環境に適応しやすいと言われています。高い教育水準と労働市場の柔軟性は、多国籍企業の進出を促進し、雇用機会の創出につながっています。

スタートアップ企業に対する支援体制も整っており、多くのスタートアップ企業が躍進しています。アムステルダム、ライデン、アイントホーフェンなどの都市では、イノベーションエコシステム(行政、大学、研究機関、企業、金融機関などが相互に関与して絶え間なくイノベーションが創出されること)が進んでおり、ベンチャーキャピタルの誘致につながっています。オランダは欧州の中でテクノロジースタートアップの中心地の一つとなっており、これにより新たな雇用と経済成長を促進しています。

【高度な技術と研究】
革新的な技術と高品質の研究機関があり、特に高度な水管理技術が国内外で高く評価されています。オランダは「水の国」としても知られており、防潮堤、排水システム、および水再利用技術など、水に関する技術革新を牽引しています。これにより、オランダは海面上昇に対処し、農地を保護し、水資源を効果的に活用しています。

【事例3選】オランダの地域コミュニティとまちづくり


(1)地域のシェアリングサービス

アムステルダムに拠点を置くスタートアップ「Peerby(ピアビー)」は、近所の人から家庭用品などを貸し借りできるオンラインプラットフォームをサービスを提供しています。

貸主が無償、もしくは有償で金額を設定して、貸したい物を掲載できたり、借り手側が探している物を貸してもらえないかご近所さんに聞くことも可能です。貸し借りされる製品は、キッチン用品からDIYのための工具類、スポーツ用品、パーティ用品など多岐にわたっています。

いくらご近所とはいえ、名前も知らない、会ったこともない人に貸し借りするのは抵抗がありますが、一度利用したユーザーからの口コミによって、安心や信頼につながっていき、多くの方が利用しています。

利用にあたっては、コミュニティに入会するために少額のサブスクリプション費を支払い、そのサブスクリプション費をプールしておくことで、何かアクシデントが起きた時には、そこからPeerby側が払って保証するという保険制度も備わっているので、安心して利用することができます。

近い距離にいるからこそ、気軽に借りれるモノや、一度利用してみたかったが高価なモノだったので手を出せなかったが、このシェアリングサービスを通して貸してくれる人がいることで、商品を手に取り利用することも可能です。使い方はさまざまありますが、地域同士の関りがより深まる取り組み制度となっています。
(2)農業分野の協同組合

農業コミュニティ「ヘーレンブーレン」
この制度は、地域で農業に携わっている人など、自分で農園経営を行う際に、一員となってくれる人たちからの出資によって成り立たせている農業コミュニティです。

フルーツや野菜、牛や豚や鶏など地域の農場で生産したものは、この農業コミュニティに関わっている人たちで分け合う、共同組合的な仕組みとなっています。地域の中で生産から消費までを一貫して自分たちで行っており、自主的に行動しているところは他の地域でにはないヘーレンブーレンの農業コミュニティの特徴と言えます。

この農業コミュニティに参加することで得られることは、自分が知らない分野の農業についてを、横のつながりを活かして知識を得ることができるというもの。例えば、野菜を育てることが得意な農家さんが豚を育てることになった際、得意な領域ではないため、豚を育てることが得意な農家さんにすぐに相談ができ、手助けをしてもらえます。こんな農業コミュニティがあることでどんどん農業の幅を広げていくことが可能です。

大きな特徴としては、どんな人でも農業をしたいと志願したら始められる仕組みを持っていることなので、この農業コミュニティがオランダを皮切りに世界に発展していくことに期待しています。


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(3)自転車中心のまちづくり

自転車が主要な交通手段であるオランダでは、地域住民が自転車を利用しやすいように自転車道整備が進んでいます。

そもそも自転車中心のまちづくり進められているの背景について。
自動車の普及に伴い、自動車から輩出される排気ガスや騒音が環境問題に影響していることや、自動車事故の急増、さらには、子供たちとって安心安全な交通整備を求める社会運が起きたことがきっかけです。
オランダは、平坦な道が多いかつ坂道も少ないまちであることから自転車を普及させる環境には適しており、地球温暖化や環境問題などへの意識が高いといわれるお国柄、世界に先駆けて自転車中心のまちづくりが推進されました。
また、サイクリングレースなるものが開催されており、年齢問わず多くの人々が参加をして地域同士の交流を深めています。

現在、国民一人当たりの自転車保有台数は世界第1位と言われ、一台以上所有しているのは当たり前という統計も出ていたり、アムステルダムでは自転車で職場や学校に通っている人が全体の約35%にも及んでいます。

地球に優しいだけではなく、体を動かすことで国民の健康促進にもつながっているとあって、多方面においてメリットが大きい自転車中心の生活は、多くの国でも取り入れて推進していくべきですね。


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まとめ


オランダの地域コミュニティは、住民の協力や産業の発展を目的とした様々な取り組みが行われています。市民が参加しやすく、地域コミュニティを育む施策が積極的に導入されていることが特徴的です。オランダの取り組みは、日本の地域コミュニティにも参考になるものが多数あります。今後も、国内外での事例を学び、我々も地域コミュニティの発展に貢献していきたいと思います。