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【地方公務員アワード2023】
すごい地方公務員!受賞者まとめ

みなさんこんにちは、Otanomiコラム担当です。
全国的に「地方公務員アワード」が開催されていることをご存知でしょうか?

「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」は、地味派手問わず成果をあげた公務員やすごい公務員を労い、そのすごさを公務員の世界の外にも届け、個々の公務員が組織の中で力を発揮しやすい環境を創ることを目的としています。

今回は、2023年度の受賞者とその内容についてご紹介します。

過去の受賞内容についてはこちら
[21~22年度 東日本編]
[21~22年度 西日本編]

1. 地方公務員の仕事について


地方公務員とは、市町村や都道府県などの地方行政機関で働き、地域の福祉や安全を支える公務員のことを指します。

地方公務員になるためには、国家公務員とは異なり、地方自治体ごとの採用試験を受ける必要があり、試験内容や難易度は自治体によって異なります。

地方公務員の仕事は幅広く、例えば、市役所や区役所での窓口業務や行政事務、消防署や警察署での安全管理、教育委員会での学校運営などが挙げられます。住民や企業の要望に応じるほか、社会福祉や教育の分野でも活躍するなど、地域の人々と直接関わりながら働けることが魅力のひとつです。

地域の発展や住民の安全を担う重要な役割を果たすため、日々の努力や専門的な知識の向上、コミュニケーション能力の発揮などが欠かせません。


2.地方公務員アワードとは?


地方公務員アワードは、地域社会のために優れた貢献をした地方公務員を表彰する制度です。

全国の市役所、町役場、都道府県庁などで働く公務員の中から、住民サービスの向上や地域の課題解決について特に優れた成果をあげた職員が選ばれます。

このアワードは、地方公務員の功績を広く伝え、地域社会における行政サービスの質を向上させることを目的としています。


受賞者は、住民や同僚からの推薦によって選ばれ、地域の特性を生かした独自の取り組みや、優れた行政運営の実績が評価されます。

受賞者の発表後には授賞式が行われ、その活動内容が紹介されるほか、他の自治体にも参考となる事例として共有されます。
これにより、全国の自治体における良い取り組みが広がるきっかけとなっています。

このように、地方公務員アワードは、全国で活躍している地方公務員のモチベーション向上に寄与し、地域に貢献する公務員の努力を社会全体で評価する貴重な機会といえます。


3.2023年度の受賞者12名の紹介


今回は、2023年度の受賞者12名をダイジェストでご紹介します。
(受賞者の所属や役職等は受賞時当時のものです)

(1)みなかみ町のみならず、周辺市町村全体のインバウンド観光客数を増加させた立役者
■阿部 真行 さん(群馬県みなかみ町 観光商工課)
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群馬県みなかみ町観光商工課の阿部真行さんは、2013年から2022年まで台南市政府に出向し、台湾との交流を深めました。現地での活動を通じ、みなかみ町への台湾人観光客数を5年間で約10倍に増加させるなど、地域のインバウンド観光に大きく貢献しました。

阿部さんは、小規模な旅行会社と連携し、みなかみ町を含むツアーを構築。
また、物産交流や町民交流など多角的な交流モデルを実践し、台湾メディアでの露出を増やしました。

さらに、台湾の国家資格を取得し、現地の人々との信頼関係を築くなど、日台交流の架け橋として活躍しています。



(2)衛星画像とAIを活用して、水道管の維持管理の効率化を実現
■岡田 俊樹 さん(愛知県豊田市 上下水道局 上下水企画課)
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愛知県豊田市上下水道局の岡田俊樹さんは、最新技術を活用し、水道管の維持管理を効率化しました。
AIを活用した水道管の劣化予測診断ツールを全国で初めて導入し、過去の漏水データや地盤情報を解析。

破損リスクの高い箇所を特定することで、効率的な更新計画を実現しました。

また、イスラエル企業の衛星画像解析技術を活用し、漏水調査の対象範囲を約1/10に縮小し、調査期間の大幅短縮と約1億円のコスト削減にも成功しています。

  さらに、熟練職員が持つ知見を地図上に可視化することで、技術の継承を進めています。岡田さんの取り組みは全国的にも注目され、令和3年度水道イノベーション賞特別賞や令和4年度優良地方
公営企業総務大臣表彰を受賞しました。
最先端技術を駆使し、水道インフラの未来を支える岡田さんの活躍が期待されています。



(3)自治体の未来を変える!現場改革の最前線に立つ海老澤さん
■海老澤 功 さん(東京都西東京市 健康福祉部 障害福祉課)
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東京都西東京市健康福祉部障害福祉課の課長である海老澤功さんは、現場の声を反映した業務改善を推進し、福祉行政の質向上に貢献しています。
財政課や企画政策課での経験を活かし、保育課在籍時には公立保育園の民営化を進め、年間約7億円の運営費削減を実現しました。

また、一時保育の登録・利用方法の見直しや、子育て支援センターのパンフレットのデザイン統一など、細かな改善にも取り組みました。

さらに、オンラインサロン「HOLG」で業務改善の取り組みを発信し、他の自治体職員と共有するなど、実践的な内容が高く評価されています。家庭と仕事の両立を大切にしながら、現場のニーズに応じた施策を実行し続ける海老澤さんの姿勢は、多くの公務員の模範となっています。



(4)デザイン思考×エンタメ要素で、「久喜で暮らす喜びを実感する場」に
■金澤 剛史 さん(埼玉県久喜市 健康スポーツ部 スポーツ振興課)
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埼玉県久喜市健康スポーツ部スポーツ振興課の副主幹である金澤剛史さんは、デザイン思考とエンターテインメント要素を活用し、スポーツを通じた地域活性化に取り組んでいます。

全国初のデジタルスポーツマシンを活用したフレイル予防プログラムを企画し、「健康のために運動する」から「楽しいから運動する」へと意識を変える取り組みを実施しました。市内5つの高校を巻き込んだ3×3バスケットボール大会では、こども食堂や商業施設とも連携し、600人の来場者を集めています。

また、「クッキーのまち久喜市」をPRするため、市民3,000人以上が参加した「クッキーダンス」動画を制作・公開したところ、約70万回再生を記録しました。

このほかにもフードドライブイベントを開催するなど、金澤さんの柔軟な発想と行動力は、久喜市の魅力向上に大きく貢献しています。



(5)英語教育に従事する教員の指導力および指導技術向上のために、オンラインサロンを設立
■江澤 隆輔 さん(福井県 坂井市立三国中学校)
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福井県坂井市立三国中学校の教諭、江澤隆輔さんは、英語教育に情熱を注ぎ、全国の英語教員の指導力向上を目指してオンラインサロン「英語教員がちサロン」を設立しました。
このサロンは約900名の教員が参加し、授業のアイデアや指導法、教材の共有など、活発な情報交換の場となっています。

特に、勤務時間が限られる非常勤講師や初任者にとって、同僚と相談する時間が少ない中で、このサロンは貴重な支えとなっています。
また、定期的にオンラインセミナーを開催し、最新の教育手法や実践例を学ぶ機会を提供しています。江澤さんの取り組みは、英語教育の質向上と教員間の連携強化に大きく貢献しています。



(6)課の枠を乗り越えて、あらゆる事業を成功に導く「成功請負人」
■市橋 哲順 さん(新潟県 福祉保健部 地域医療政策課)
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新潟県福祉保健部地域医療政策課の市橋哲順さんは、課の枠を超えて多様な事業を成功に導く「成功請負人」として知られています。
新型コロナウイルスの大規模ワクチン接種では、非医療職ながらプロジェクトの中心を担い、1日5,000人規模の接種体制を4週間で構築。結果、約30万回の接種を実施し、接種率日本一に貢献しました。

また、研修医確保のための「イノベーター育成臨床研修コース」を立ち上げ、多数の研修医確保にも成功しています。さらに、働き方改革や地域医療構想の推進など、多岐にわたる分野で活躍しており、市橋さんの行動力と調整力は、県民のために尽力する姿勢の表れであり、多くの同僚から信頼を寄せられています。



(7)海外理解促進のため、地域コミュニティを対象とした講演の実施
■市川 美奈子 さん(静岡県 地域外交局地域外交課)
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静岡県地域外交局地域外交課の地域外交参事官である市川美奈子さんは、中国語の専門知識を活かし、県の国際交流と観光促進に尽力しています。中国政府公認の中国語検定試験である「HSK」で最高級を取得するとともに、中国最大手の旅行サイト「Ctrip」とのプロモーションを6年間担当しました。

2022年に静岡県が受賞した「Ctripベストパートナー賞」にも貢献しています。また、人気アニメ『ゆるキャン△』とのコラボ企画では、スタンプラリーやモデル地マップの作成を手掛け、県内観光地の魅力を国内外に発信し、地域活性化につなげました。

また、子育て中の職員として育休や復帰後の課題解決に向けた情報発信も行っています。現在は台湾に駐在し、観光・経済・防災など多岐にわたる分野で活躍中です。



(8)役所内外の人と協働し、LGBTQ+への理解促進と支援に尽力
■緒方 祐 さん(福井県越前市 総務部 市民協働課 ダイバーシティ推進室)
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福井県越前市総務部市民協働課ダイバーシティ推進室の主査、緒方祐さんは、LGBTQ+への理解促進と支援に尽力しています。2014年の入庁以来、市民活動として啓発イベントを企画し、行政文書における性別欄の見直しや職員研修を推進してきました。

2019年にはダイバーシティ推進室に配属されると、全庁的な性別欄の削除や小中学校での出前講座の実施に尽力されています。

2022年10月には、福井県初の「同性パートナーシップ宣誓制度」を越前市で導入し、その後県内他市への波及にも貢献するなど、緒方さんの地道な活動と行動力が、多様性を尊重する社会づくりに大きく寄与しています。



(9)ふるさと納税を活用した市民のための街づくり
■小玉 悠太郎 さん(福井県坂井市 総合政策部 移住定住推進課 兼 企画政策課 ふるさと納税推進室)
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福井県坂井市総合政策部の小玉悠太郎さんは、ふるさと納税を活用した地域活性化に尽力しています。2015年、返礼品がなかった坂井市で、庁内の若手職員とともに勉強会を開催し、返礼品導入を市長に直接提案。
その結果、寄付額は2015年度の約396万円から2022年度には約15億290万円と、大幅な増加を達成しました。

さらに、市民提案を基にした「寄附市民参画制度」を導入し、約70の事業を実現するなど次々と新しい施策を成果につなげています。
また、「Fukui Coffee Festival 2022」のクラウドファンディングで約525万円を集め、約13,000人の来場者を迎えるなど、地域イベントの成功にも貢献しています。



(10)GAFAMから評価されたテクノロジーを活用した地域課題解決
■中軽米 真人 さん(岩手県八幡平市 商工観光課)
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岩手県八幡平市商工観光課の課長補佐、中軽米真人さんは、地域課題の解決に向けた革新的な取り組みで注目を集めています。2015年には、起業家育成を目的とした「起業志民プロジェクト」を立ち上げ、7年間で25回のプログラミング合宿を開催。

18カ国から4,000人以上の応募があっただけでなく、30人以上の市内への移住や13法人の設立などにもつなげています。この成果はGoogle Japanからも高く評価されています。

また、2021年には、医師不足が深刻な地域で遠隔診療と見守りを同時に実現する「メディテックバレー事業」を開始し、ウェアラブル端末と独自のデータ圧縮技術を組み合わせ、通信環境が不安定な地域でも遠隔診療を可能にしました。この取り組みはApple本社からも注目を集めています。中軽米さんの革新的なアプローチは、地域活性化の新たなモデルとして評価されています。



(11)水産業への熱い想いを全国へ
■中村 広花 さん(福井県高浜町 産業振興課)
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福井県高浜町産業振興課の中村広花さんは、地元の水産業振興に情熱を注いでいます。舞鶴市出身ながら高浜町の自然と人々に魅了され、高浜町役場の職員となるとともに、漁師の方々との密接なコミュニケーションを通じ、新施設の設立や加工品開発など、多くのプロジェクトを推進しています。

また、水産庁の「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」メンバーとして、地元の魚や水産業のPR活動にも積極的に参加。
その行動力と地域愛は、周囲から高く評価されています。



(12)清掃×交流×楽しさ 住民参加型のイベントで街を元気に!
■野嶋 京登 さん(静岡県浜松市 富塚協働センター)
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静岡県浜松市富塚協働センターの主任である野嶋京登さんは、地域活性化に情熱を注ぎ、多彩なイベントを企画・実施しています。

例えば、佐鳴湖の清掃活動「ごみゼロフェスタ」や、仮装してゴミ拾いを行う「ハロウィン・プロギング」など、住民参加型の取り組みを展開し、これらの活動は、地域住民の交流を深めるだけでなく、環境美化にも貢献しています。

また、野嶋さんの企画は新聞やテレビで数多く取り上げられるなど、メディアからも高い注目を集めています。その行動力と企画力で、地域の魅力を高める立役者として活躍しています。


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Otanomiは、「副業・兼業から始める地方創生」をテーマに、地方自治体や企業の課題解決に対する取り組みにチャレンジできるサイトです。
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Otanomiではよくある求人票ではなく課題を掲載しているため、困りごとがダイレクトに分かるという特徴があります。
課題を見て自分にできそうだな、とお考えであれば応募をし、実際に自治体や企業の担当者と話をして、条件が一致すれば実際に仕事がスタートします。

応募をしてもいきなり採用されるわけではなく、しっかり話しを聞いたうえで判断ができるためお互いに安心できる環境が整っています。

フリーランス・副業・兼業などで地域と繋がってみたい際は、ぜひOtanomiをご利用ください。 副業からはじめたい場合も歓迎です。


まとめ


本記事では、「地方公務員アワード2023」受賞者まとめについて解説しました。
各地域の職員として活躍している方々の実績の数々はいかがでしたでしょうか?

地域のために全力で取り組む姿勢や実行力、そういった方が周りに一人でもいることで刺激となり、同じ職場の方に大きな影響を与えていたり、住民としても誇れる市区町村となっていることがわかります。

あなたのお住まいの地域でも、他のまちに負けない取り組みがたくさんあるはずです。また、地方創生に関する副業や兼業に関わる場合にも、地域課題や成功事例を知っておくことは活動していくうえで大切な知見になるといえます。

今回の内容が地方公務員の方の仕事に目を向けるきっかけとなれば幸いです。